奥平先生講義より
さる3月16日、17日奥平智之先生が広島で講演されました。
広島での講演会はすべて出席していますが、毎回勉強になります。データをどう読むか!がメインテーマでした。
(ちなみに第一回のゲスト講演は藤川徳美先生でした。この講義もとてもすばらしく、話題になりました!このページの下)
いくつかピックアップしました。
①フェリチンの上昇が、炎症による修飾でないことを確かめるために。
血清鉄、フェリチン、TIBCを3点セットで測定するとよい。
TIBCは炎症で低下する。
見落としを減らし、「体内の炎症対策」の必要性の理解のためにも、よい方法。
いづれにせよ、フェリチンが高い場合には鉄の内服は控えた方がよい。
余剰の鉄は腸管の炎症の元になる。
②パン、牛乳は中毒性がある。
グルテンモルフィン、カゼインが中毒を起こすとのこと。
③認知症対策は亜鉛から。
高齢者は多剤内服していることが多い。薬は亜鉛をキレートして排出させてしまう。(加工食品も同様の作用をもつ)
亜鉛は海馬の細胞に必要であることからも、まず亜鉛対策を。
血清亜鉛80以下は低下とみてよい。目標は100
④異食症(鉄不足)・・・場合によっては、砂、石、椅子をかじる子どももいる。多いのは氷ばかりかじる女性。
⑤血液データを修飾する3大原因
・脱水・・・尿素窒素やヘモグロビンが上昇する。
・溶血(膜障害も含め)・・・結構わかりにくい場合あり。LDH、カリウム、GOTなどが上昇する。採血手技にも影響される。
・炎症・・・女性の隠れ脂肪肝が多い。花粉症や皮膚炎などがあれば、確実に影響を受けている。CRPが少しだけ上昇していることあり。CRPが上昇していなくても全く否定できない。フェリチンの方が炎症マーカーとして鋭敏である。
⑥食事日記の導入を!
重要な指摘。
⑦爪の縦線は炎症の所見
鉄欠乏女子は2種類ある。単なる鉄不足と、炎症性に鉄が利用できない場合。後者の爪には縦線が入っている。
⑧マグネシウム欠乏でおこる最も多い症状は性格変化と抑うつである。
比較的目立たないポジションにあるマグネシウムですが、大切。
奥平先生のオープンマインドネスと行動力に感謝です。
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こちらは、藤川先生の講演動画