PPIと骨粗しょう症と
ドクターサロン 2025年7月号より
・PPIの副作用として、骨粗しょう症が有名
AIによると
答え:PPI(プロトンポンプ阻害薬)を長期使用すると、胃酸分泌が抑えられることでカルシウム吸収が低下し、骨密度が減少して骨粗しょう症や骨折リスクが高まると考えられています。
🔎 PPIと骨粗しょう症の関係
胃酸分泌抑制によるカルシウム吸収低下 胃酸はカルシウムをイオン化して腸管から吸収しやすくする役割があります。PPIで胃酸が抑えられると、カルシウム吸収が不十分になり、骨の材料が不足します。骨代謝への直接作用の可能性 一部の研究では、PPIが破骨細胞(骨を壊す細胞)に作用して骨形成を阻害する可能性が示されています。
長期使用でリスク増加 累積使用量が多いほど骨折リスクが上昇することが報告されており、短期・低用量でもリスク上昇が観察されています。
続発性骨粗しょう症の一因 ステロイドやホルモン関連薬ほど強い影響ではないものの、PPIも「薬剤誘発性骨粗しょう症」を引き起こす薬剤の一つとして注目されています。
👩⚕️ 特に注意が必要な人
閉経後女性:骨密度が低下しやすく、骨折リスクが高い。高齢者:カルシウム不足や他の薬剤併用によりリスクが増す。
長期にわたりPPIを服用している人:慢性胃炎や逆流性食道炎で継続処方されているケース。
🛡️ 対策のポイント
最少量・最短期間での使用:必要以上に長期連用しない。代替薬の検討:H2ブロッカーなどは骨への影響が比較的小さいとされる。
生活習慣改善:カルシウム・ビタミンD摂取、適度な運動、禁煙・節酒。
骨密度検査の定期的な実施:リスクが高い人は早期に変化を把握することが重要。
要するに、PPIは胃酸を強力に抑える薬ですが、その副作用としてカルシウム吸収や骨代謝に影響を与え、骨粗しょう症や骨折リスクを高める可能性があるのです。