徳田安春先生 巻頭言

フレーム法で、もうコワくない 総合内科ただいま診療中!より

内科を英語で表わすとインターナルメディスンまたは単にメディスンという。メディスンには薬という意味があるが、医学という意味もある。医学の中で最も基本的でコア部分が内科なのである。すなわち、全人医療をベースにしながら、成人での診断と治療を幅広く行うことができる診療科が本来のないかであった。しかし、近年における内科の臓器別細分化によって、内科という診断科がだんだん意味を持たなくなってきた。

そこで登場したのが総合内科である。日本型の総合内科医は入院診療のみならず、救急外来と集中治療、そして外来もカバーできる守備範囲の広い医師集団である。救急外来では小児患者や外傷患者をケアすることもあるので病院総合診療と呼んでもよい。最近注目されている日本型ホスピタリストである。

臨床医学の父であるウィリアム・オスラー先生の時代から、最も尊敬される医師像とは、診断困難なケースでの診断の追及を懸命に行う医師たちであった。総合内科または病院総合診療の医師は、世界中のメディアに時々取り上げられる題材にもなっている。アメリカではドクターハウスというテレビシリーズが人気があった。日本では、研修医とガチンコでディスカッションするドクターGシリーズが有名である。