人間の道の根本は、天つまり神を敬うこと

「道は天地自然の物にして、人はこれを行うものなれば、天を敬するを目的とす。天は人も我も同一に愛し給うゆえ、我を愛する心をもって人を愛するなり」

人間の道の根本は、天つまり神を敬うことである。神は全ての人を同じように愛しているから、私たちは自分を愛する心をもって人を愛しなければならない。「敬天愛人」の語を西郷はよく筆で書いた。西郷の愛情、同情心、思いやりの深さをこれまで述べてきたが、それはこのような信念にもとづいている。

 「道を行う者は、天下こぞってそしるも足らざるとせず、天下こぞって誉むるも足れりとせざるは、自らの信ずるの熱きがゆえなり。」

日本の偉人伝 (岡田幹彦著)より