高齢者のRSウイルスワクチンを販促したいらしい

ドクターサロン 2025年4月号より

RSウイルスは、主に小児科領域ではインフルエンザよりも重要性が高いぐらいの気道感染を起こす病原体として、日本でも積極的に検査が行われていますが、基本的には、大人にも感染を起こします。従来大人は軽い風邪のような症状で終わるといわれていたのですが、2000年代前半くらいから、RSウイルスは大人にとってもかなり重要な病原体だということが海外で明らかになってきて、ワクチンの開発が進められてきました。

世界的にはインフルエンザと比較した報告が多いですが、疾患負荷としてはインフルエンザと同程度。しかしインフルエンザよりも実はRSウイルスのほうが高齢者にとって危険であるというような報告がいくつも上がってきています。

小児では、感染を何回繰り返しても終生免疫はつかないことがわかっていて、成人の場合も、基本的には感染しても終生免疫はつきません。なので、感染は基本的に繰り返すのですが、1回かかるとしばらくかかりにくいとか、重症化しにくくなるといった傾向は、ある程度あるようです。

メッセンジャーRNAではなく、リコンビナントタンパクとアジュバントが含まれているワクチンということですね。

有害事象は何かありますか。

シングリックスもそうですが、アジュバント型のワクチンで、ある程度効果を高めるためにアジュバントが入っているので、接種部位の疼痛や局所反応に関しては比較的高めに出る傾向があります。発熱はそれほどありません。重篤な有害事象に関しては、基本的に明らかに危険性の高いものはこれまでほとんど報告されていません。

一部、ギランバレー症候群などの報告例が若干出ましたが、今のところ、統計的に有意差があるわけではなくて、米国では今後もデータを集めるけれども接種を推奨するという流れになっています。

コメント: インフルエンザ、コロナと同様にRNAウイルスで、ころころ変異していくようなものに、ワクチンの意味があるのだろうか?