あの日のこと

安田学園1年生の女の子(中一)

あの日は、建物疎開の手伝いで同級生たちと街へ出っていった。

原爆投下後、全身がボロボロになった女の子が見つかった。 その子のベルトの部分にわずかに焼け残った布があった。母親はそのわずかな布切れを見て悟った。

それは、母が着物をほどいて作ったモンペの一部だった。