心不全に対する新規治療薬
日本内科学会雑誌 2025年1月号より
心不全はACEI(認容性がなければARB)、β遮断薬、MRAの3クラスの薬剤による治療によりその予後が改善されたが、いまだ予後不良の疾患症候群である。長い間、上記3クラスがその薬物療法の中心となっていたが、本稿で述べたような新規の作用機序を有する薬剤が近年複数開発され、こららの薬剤により心不全のさらなる予後改善が期待される状況になってきた。
ANRI, SGLT2阻害薬、HCNチャンネル阻害薬、SGC刺激薬はそれぞれの作用機序も異なり、また従来の標準的心不全治療への上乗せ効果(ANRIではACEI/ARBからの切り替えによるさらなる治療効果)がしめされている。特に、ANRI,SGLT2阻害薬はβ遮断薬、MRAとともにHFrEFの治療に不可欠な4つのクラスの薬剤として認識されつつある(Quandruple therapy)。これら4クラスの薬剤を心不全患者に対してできるだけ早期に導入し、忍容性の範囲内での最大容量まで早期に増量することが、心不全患者の予後のさらなる改善に重要である。
循環器内科の治療はいつも他剤併用だが、それがさらにひどくなりそうな状況。
そんなことより、糖質制限を導入してほしい。