虫垂炎の注意点

ドクターサロン 2024年9月号 より 松田 圭二 先生 

・糞石、あるいはリンパ濾胞の過形成、虫垂粘膜の腫脹、寄生虫や異物、腫瘍、虫垂の屈曲や癒着などが要因となり、虫垂内腔が閉塞して内圧が上昇し、細菌感染をともなうために発症する。
・はじめから右下腹部が痛い患者さんもいます。さらに、嘔気・嘔吐、微熱、便秘等を伴います。熱は37度台のことが多く、穿孔性腹膜炎や膿瘍形成の場合は39℃以上になる事もあります。下痢はまれです。
・Lanz点 これは左右の上前腸骨棘を結ぶ右1/3の点。
・膿が後腹膜、おなかの後ろ側に広がっている場合、腹壁の痛みがないため、おなかを押しても痛くなかったりします。
・小児や高齢者では虫垂炎は重症化しやすいので注意が必要となります。また、妊婦さんの場合、子宮が大きくなるため、虫垂が上方外側、普通よりも上野ほうに移動するので、そこは注意が必要です。
・腹腔鏡を使った方が、おなかの中が良く見えて、虫垂を見つけやすい。