褐色細胞腫クリーゼによりたこつぼ心筋症を来した1例
日本内科学会雑誌 2022年10月号より
・褐色細胞腫クリーゼは多彩な臨床症状を呈し、予後不良な病態である。
・たこつぼ心筋症、急性心不全の原因として褐色細胞腫を鑑別疾患に入れる必要がある。
・フォンレックリングハウゼン病に褐色細胞腫を合併することがある。
顕著な洞頻脈で脈拍変動が乏しいこと、拡張期血圧含めて著名な高値であること、入院時CTで右副腎に径50㎜大の腫瘤が見つかっていること。全身の神経繊維腫、カフェオレスポットからフォンレックリングハウゼン病が背景にあると思われることから、褐色細胞腫クリーゼによるたこつぼ心筋症と推測された。