天然痘は、ワクチンが必要だったのか?
上記引用
19世紀の人道主義者たちと社会改革者たちが「病気の削減」にかなりの実績を挙げていた。これは臨床検査医学が医学の進歩をもたらす以前のことである・・・潮が浜辺から引いていくときは、バケツで海の水を取り除けるのではないかと、簡単に錯覚してしまう。」 ルネ・デュポス
19世紀の終わりに天然痘の性質は変化する。1897年の夏以降、重症化を引き起こすタイプの死亡率の高い天然痘は、非常にまれな例外を除き、完全に米国から消え去った。
天然痘の死亡率は5人に1人から、50人に1人、更にはその後は380人に1人と、大幅に下がった。まだ天然痘による死者は出ていたが、ずいぶんと軽い病気になったので他の水疱を伴う感染症や皮膚に発疹が出る病気と間違えられるようになった。
20世紀初めには、ワクチンがなしえなかったことを下水道設備が成し遂げた、と気づいている人たちもいた。つまり、天然痘を駆逐することである。天然痘ワクチンは接種率が低下していたが、他の病気と同じように、天然痘は人々の生命に対する脅威ではなくなっていた。
1920年代
ワクチン接種がなされていないにもかかわらず、単発の発症例、また小規模な流行になった場合であっても、天然痘の症状は非常に穏やかなものである。皮膚の病変は少ないか存在せず、その他身体的な症状は軽かったり無視できたりするほどである。
1946年の報告書
何が天然痘の発生率の増加と減少の原因なのであろうか。19世紀後半に天然痘が減少したときには、1時期ワクチン接種のおかげだとされたが、それが正しいとはまず考えられない。ワクチン接種が、幼児に限って言っても完全に行われたためしはなく、接種率が高かったのはほんの20-30年である。いつもかなりの割合の人口がワクチン接種の法律にしばられていなかったのである。再接種をする人口はほんの少しだった。現在ではほとんどの人がワクチンを接種していない。
17.1のグラフではワクチン接種率が高くなるとほとんどの場合、それと同期して天然痘による死者が増えることに注目してほしい。この事実は主流の医学で信じられていることとは反対である。
天然痘ワクチン接種は決して疑わることのない信仰装置として数十年機能してきた。ほとんど熟考されることなく、妥当性に異議を唱えられることは決してない。エドワード・ジェンナーの発明に言及する歴史書の大半は根拠を示すことなく、あるいはほんのわずかな証拠らしきものを示しただけで、素晴らしく有益な物だと急いで結論付ける。反ワクチン運動に言及する歴史書もあるが、常に愚かで教育のない抗議者が確立された科学的手法に反対しているという書き方をされる。
実際には、信仰とは反対の事実が示されている。(グラフ17.2)ワクチン接種率がイングランドで低下するにつれ、天然痘による死者も減少した。
コメント:ワクチンにより撲滅された、とされている天然痘の真実。グラフ17.1とグラフ17.2は必見。