新しいアルツハイマー病治療薬レカネマブ・ドナネマブ治療の効果と副作用

以下上記引用

「抗体療法は有効化か?」という質問への回答:
認知症を治すものではありませんが,脳からアミロイドを除去し,一部の患者さんでは認知機能の低下をわずかに遅らせます.図のようにCDR-SBというテストで82%の認知機能であった人は18ヵ月後,無治療であれば73%まで低下するのに対し,36回レカネマブ治療を行えば76%まで抑制できます.統計学的に有意な差ではありますが,通常臨床的に意味があるとされる効果よりかなり小さいです.しかしドナネマブの臨床試験では,治療により,軽度認知障害(MCI)と呼ばれる認知機能障害があまり進行していない状態に,偽薬群より2.5〜5.4ヵ月長くとどまることができました.後述する副作用や金銭的・時間的コスト,治療効果の不確実性もありますが,患者さんによってはこの延長効果は治療を選択するのに十分意味のあると言えます.
「副作用はありますか?」という質問への回答:
脳の浮腫や出血を引き起こします.レカネマブの臨床試験では治療された患者1000人あたり,偽薬群と比べて,平均して109人多く脳浮腫が起こり,83人多く脳出血が起きました(図).ドナネマブの臨床試験では,これらを意味するMRI画像異常(ARIA)が治療した患者の24%に認められ,6%に頭痛などの症状がみられました.いずれの臨床試験でも3人の死亡例があり,これらは抗体薬が原因である可能性があります.これらの副作用のリスクは,ApoE4遺伝子の保有の有無によって異なり,ApoE4ホモ接合体でも最もリスクが高くなります.
そのほか,プライマリ・ケア医は以下の説明をするべきと述べています.
◆PET検査,認知機能検査,おそらくApoE4遺伝子検査が必要となること.
◆レカネマブの場合2週ごと,ドナネマブの場合4週ごとの点滴が必要となること.
◆約18ヵ月の治療期間中の集中的な監視(MRI検査)が必要となること.
◆経済的な自己負担を要すること.
◆臨床試験の結果はほとんどが非ラテン系白人患者のものであること.
◆抗凝固薬内服中の患者では出血リスクが増加しうること.
◆18ヵ月後に観察された治療効果がその後も持続するか分からないこと.
最後に患者の個人的価値観に照らして十分に話し合う時間をとってくれるプライマリ・ケア医の重要性について強調しています.病気の進行を遅らせたいと切望し,大きく持続的な効果がなくてもアミロイドを除去することに高い価値を置く患者さんにとっては副作用のリスクは容認できるかもしれないとも述べています.

コメント:上記を読むと、ほとんど効果がなく、副作用が多く、値段が高すぎる。