COVID-19 mRNAワクチン接種後に発症した高齢者心筋炎の一例

広島医学会雑誌 2023年10月号より

三原城町病院内科・消化器内科 松本 栄治先生 他

mRNAワクチン接種後の心筋炎は一般に若年男性に好発するとされている。症例は80歳。女性。3回目のmRNAワクチンを接種し、1週間後に呼吸苦を訴え救急搬送された。呼吸促拍、水疱音が聴取され、肺野には広範な浸潤影があり、心筋マーカーは上昇し左室駆出率が低下するも冠動脈狭窄はなく、非侵襲性陽圧換気を導入後に速やかに呼吸状態は改善、肺陰影も消失した。mRNAワクチン接種後に発症した高齢者の急性心筋炎を経験したので報告する。