ただ年を取った人間
上記より引用
子供の頃、大人にいろいろなことを尋ねた。すると、答えてもらえることは少なく、だいたいは、「余計なことを訊くな」とか「知らなくてもいい」と言われた。
今になって、わたしはそのときの大人の気持ちがわかる。彼ら自身、実は半知半解だったのである。よく知らぬまま他人と同じようにしていただけである。子供のときは大人のそういう事情は知らなかったが、やがて大人に聞くだけ無駄と思うようになった。そして、本を読んだ方が手っ取り早いと思うようになったのである。
大人とは人生の経験を積み、物事を深く知ったものだと子供は思っている。しかし、やがてわかってくる。ふつうの大人とは、ただ年をとった人間にすぎない。それはカッコ悪いとおもうから、私はいまだに自分の疑問を追求しているわけだ。
厳しいようだが、本当のことではないか。 子供のような疑問を持ち続けなければならない。