LDLコレステロール高値は心疾患の原因か?Dr.Paul Mason・・・LDLが高い人は長生きする
解り易く、最近の臨床研究も引用して説明されています。HDLコレステロールが53㎎/㎗以上。中性脂肪が70㎎/㎗以下。中性脂肪/HDLコレステロール値が2以下なら良い、としています。(先日の動画では、虚血性心疾患の2次予防でも)これをパターンBとしている。
①19の前方向性コホートスタディ(68000人)において。19のうち16の研究で「LDLコレステロールが高い人は長生きする」ことが示されている。
②LDLコレステロール=コレステロールと誤解している人(医師も)が多い。LDLは複雑な構造(タンパク質を含む)をしたもので、単純なコレステロールではない。
VLDL,IDL,LDLコレステロールは、リポプロテインと呼ばれるものである。肝臓でまずVLDLが合成され、IDL、LDLと変化するが、本質的には同じものである。徐々に脂質を失って縮小していく。最後にLDLコレステロールは肝臓に戻ってリサイクルされる。リポプロテインはコレステロールを運ぶカーゴである。
③LDLコレステロールの量は、心臓病と関連しない。LDLコレステロールの粒子数が多いと、心臓病になりやすい。
結局、問題となるのは、劣化したLDL(small dense LDl)である。 劣化したLDLにはApoB100 が発現していない。
④コレステロールの摂取とLDLコレステロールの関係
・毎日35個の卵を1か月継続して摂取してもLDLコレステロールは上昇しなかった。
・飽和脂肪酸(ココナツオイル、オリーブオイル、バター)を4週間連日50g摂取したところ。ココナツオイルでLDLコレステロールは低下し、バターでは上昇した。
⑤LDLコレステロールが低い人は早死にする。一方、LDLコレステロール高値で死亡リスクが増加することもありえる。
・インスリン抵抗性が高い場合(低糖質食をした時、乳製品の量が多い場合) 牛乳にはモルヒネ様作用がある。
・ビタミンB12欠乏がある場合。
・炎症がある場合(TNF-αが上昇する炎症)
・中性脂肪を上昇させる薬や病態(ベータブロッカー、糖尿病、ステロイドホルモン、腎疾患、ヘモクロマトーシスなど)・・・通常は糖質かアルコール
LDLが上昇している場合、食事以外のファクターを考える必要もある。
下記ウィキペディアより
英: lipoprotein)は、脂質が血漿中に存在する様態で、脂質とアポタンパク質が結合したものである[1]。脂肪酸のような分極した分子を除き(遊離脂肪酸)、脂質を血漿中に安定に存在させるには、タンパク質(アポタンパク質と呼ぶ)と結合させる必要がある。リポタンパク質は、トリアシルグリセロール(トリグリセリド、中性脂肪)および、細胞の生命維持に不可欠なコレステロールを多く含む球状粒子である。カイロミクロン(キロミクロン、CM:chylomicron)、超低密度リポタンパク質(VLDL:very low density lipoprotein)、中間密度リポタンパク質(IDL:intermediate-density lipoprotein)、低密度リポタンパク質(LDL:low density lipoprotein)、小粒子低密度リポタンパク質(sdLDL:small dense low density lipoprotein)、高密度リポタンパク質(HDL:high density lipoprotein)の各種類があり、比重が大きいほど粒子が小さくなり、アポリポタンパク質の割合が高く、逆に脂質の割合が低い。
上記でみると、HDL60以上ではほとんどsmall dense ldlがない。
コレステロールの評価方法
中性脂肪/HDLコレステロールで行う。
1ならパーフェクト。
2以下は良い。
3以上は病気。
4以上は危険。
メアリー・バーノン・・・コレステロールの評価法 ・・・2014年7月