鉄過剰症の病態と治療

日本内科学会雑誌 2022年11月号より 鈴木隆浩先生

・一回2単位の輸血で200日分の鉄が体内に入る。(200㎎)

・除鉄療法の基準はフェリチン1000以上。目標値はフェリチン500以下。

原発性鉄過剰症の診療 以下引用

ここまでは赤血球輸血が原因となる輸血後鉄過剰症について述べてきたが、わが国には低頻度ながら原発性(遺伝性)鉄過剰症症例が存在する。最近行われた国内調査によると、わが国の鉄過剰症患者の約7%が輸血に関係しておらず、原発性鉄過剰症である可能性が示されている。原発性鉄過剰症の原因としては鉄代謝関連遺伝子である①HFE、②ヘプシジン、③ヘモジュベリン、④トランスフェリン受容体2、⑤フェロポーチンの変異が知られており、①から④の変異ではヘプシジン産生が低下することで、消化管からの鉄吸収が抑制されず継続的に体内に鉄が流入することで鉄過剰症を発症する。

・原発性鉄過剰症の治療の基本は瀉血

・原発性鉄過剰症の遺伝子検査、ヘプシジン測定には保険が適応されない。

コメント:原発性鉄過剰症をみたことがない。しかし、出会う可能性はあると思う。 鉄過剰症を恐れる必要はない。鉄を内服する場合は、血液検査をすればよい。