書評「糖尿病は砂糖で治す」その1

患者さんからのご相談があり、この本を読んでみました。(崎谷 博征著)

著者はパレオ協会のドクターです。パレオダイエットとは一般に”原始人食”といわれるものであり、糖質制限に近いものと理解されます。
崎谷式パレオダイエットは、欧米のパレオ・ダイエットとは異なり、砂糖やはちみつを勧めています。

 

穀物やでんぷんなどの糖質を避け、PUFA(オメガ3およびオメガ6の脂肪酸)を避ける。砂糖やフルーツやはちみつを勧める。

「摂取カロリーの3分の1は糖が望ましい」・・・1800キロカロリーの3分の1は糖質150g。 「グルコースは一日最低100g以上」

対比として糖質制限は、

穀物やでんぷんそして砂糖などすべての炭水化物を減らす。スーパー糖質制限では1日糖質量が60グラム以下。 オメガ6を減らし、オメガ3(魚油、えごま油など)を増やす。

 

ヘモグロビンA1Cにフォーカスして考察すると・・・。(筆者の理論は糖質量だけではなく、私には実際の崎谷式パレオダイエットの経験はないので、あくまで私の推定です。実際のところは、トライしていただいた方のデータをみないと判定できません。)

 

糖尿病患者さんの場合、糖質60%の食事(1800キロカロリーの場合、糖質270g)から崎谷式パレオダイエットに変更すれば、ヘモグロビンA1Cは改善する。
江部式糖質制限から崎谷式パレオダイエットへ変更すれば、ヘモグロビンA1Cは悪化する。