日本臨床内科医会会誌より・・・貧血を伴わない鉄欠乏

令和2年6月号より

すばらしいテーマの記事だと思う。

医師の実際の認知度はまだまだ低いと思う。

内科雑誌だからか、精神面への影響への記述が少なかった。

 

タイトル 貧血を伴わない鉄欠乏 Iron deficency without anemia ; IDWA-    大西真由美

メモ

①ヘモグロビンが12g/dl 以上の正常値であっても、フェリチンが12ng/ml未満であればIDWAの診断となる。

ヘモグロビン12が正常値というのも、「基準値」が低すぎる可能性がある。

貧血は女性の約10%、IDAWは、女性の半数に上るともいわれている。

コメント:フェリチン12以上は正常とすると、基準は低すぎる。ヘモグロビンの正常値は確かに低すぎると思う。

 

②息切れ、だるさ、髪の毛が薄くなる、爪がもろい、氷が食べたい、むずむず脚症候群などの症状。

以下引用 

さらに、女性の場合には妊孕性にかかわってくる。 ~40ng/mlくらいまで上げておくと、不妊の相対リスクは下がるようだ。(残念ながら、例数の少ない報告しかないようだ。)

「年余にわたり不妊治療をしている」と当院の患者さんである夫君から何かの拍子に伺い、何気なく「奥様が貧血気味なら、鉄分を摂っておいたほうがいいですよ」と申し上げたら、数か月のうちに妊娠のご報告をいただいたことも一度ならずある

コメント:鉄不足で妊娠・出産が困難になるのは当然だろう。フェリチンは、一度の妊娠出産で40は減少すると言われている。40ng/mlではまだまだ低すぎると思う。

③以下引用 

最近では、IDAWが、直接的に心機能低下に悪影響をおよばす機序がある可能性が指摘されている。また、慢性腎不全でエリスロポエチンに対する反応性が悪い時に、心イベント予防の意味でも、血清フェリチン値100ng/ml未満では鉄補充療法を行うべきとされている。

コメント:心機能への影響については初めて聞いた。