減薬処方について
2018年1月29日 再掲 減薬処方
ERのTips DEEP APPROACH EVIDENCEより
ステップ1 現在使用しているすべての薬の処方理由を確かめる。
ステップ2 減薬の必要性を決めるために薬剤が誘発するリスク全体を評価する。
ハイリスクドラッグ・・・オピオイド、ベンゾジアゼピン、向精神病薬、NSAIDs、抗凝固薬、ジゴキシン、心血管薬、血糖降下薬、抗コリン薬、など。
ステップ3 使用中止の妥当性をそれぞれの薬剤で評価する。
診断が確かであってもエビデンスに基づいていない処方(例:咽頭炎に第三世代セフェム系抗生物質を処方)や、不適切な期間の処方(例:ビスフォスフォネートを5年以上処方)、不適切な年齢への処方(例:ホルモン療法を70歳以上に行う)といったこともあります。
prescribing cascade
・腰痛でNSAIDsを処方したところ血圧高値となり降圧薬が処方される。
・下腿浮腫に対してサイザイドを処方したところ、高尿酸血症になりアロプリノールなどが処方される。
・胃腸炎で嘔吐があり、プリンペランが処方され、錐体外路症状が出現しパーキンソン症候群となる。
・・・・ パーキンソンの薬が処方される。
・高血圧にカルシウム拮抗薬・・・薬による浮腫・・・利尿薬の処方・・・カリウム製剤の処方
ステップ4 中止薬剤の優先順位をつける
ステップ5実施計画とモニタリングの計画を立てる
中止による影響がないことがわかっている薬剤については情報提供をする。
例
・骨粗鬆症に使われるアレンドロネート(ボナロン)は中止しても、5年間は骨粗鬆症による骨折をふやさないことがわかっている。
・スタチンを中止しても心血管系のイベントは8年間増加しないこともわかっている。