活性型ビタミンD製剤による高カルシウム血症はコモンディジーズである
再掲 2017年11月30日
活性型ビタミンDは本当に必要な薬なのだろうか?
副作用が多すぎる。勝手に活性化させるのは不自然ではないか?
下記に1000単位の非活性型との比較があるが、1000単位は少なすぎる。
クスリのリスク(上田 剛士著) より引用
らく和会丸太町病院において、症候性高カルシム血症で入院した症例をみると、58%が活性型ビタミンD製剤によるものでした。 (2010-2014、 n=26)
このαカルシトロール 1μg/日は、非活性型ビタミンD1000単位/日と比較しても骨折予防効果にすぐれることがRCTにて報告されており、有用性は高いと考えられます。
一方、この用量で用いた活性型ビタミンD製剤では、高Ca血症が2.7%から6.7%へと増加します。 骨粗鬆症患者は日本で1300万人ともされていますので、全例に活性型ビタミンD製剤を投与すると、高Ca血症が実に52万人増加することになります。
海外における 非活性型ビタミンD製剤
海外の報告を見ますと、ビタミンD製剤は高Ca血症の原因の0.5-2.1%を占める程度で、「比較的稀な原因」とされています。
これは欧米では非活性型ビタミンD製剤を400-1000単位/日ほど使用しているためと考えられます。
非活性型ビタミンD製剤は、50000単位/日までは明らかな有害事象の報告はなく、10000単位/日まではまず安全と考えられている非常に安全性の高い薬剤です。