中毒(ADDICTIONS)

ORTHOMOLECULAR MEDICINE FOR EVERYONEより

中毒の治療には2つのフェーズがある。離脱時期とその後の渇望期である。離脱時期には緊張や不安の高まりなどの不快な症状がおこる。私は牛乳の沈殿物により、激しい離脱症状(自殺したいほどの抑うつ)を発症し、入院が必要となった成人女性を目撃した。砂糖の中止は、ヘロインからの離脱と同様のひどい禁断症状をきたす。多くのスモーカーは、禁煙による離脱症状を経験する。この症状は1日100回にも達し、つぎの喫煙につながる。

1つの食品を大量に摂取している場合、よりゆっくりと離脱する必要がある。肥満のある人は、離脱症状がどのようなものであるか知っている。食物の不足による、不快で力が出ず、空腹な状態である。最初の2-3日の飢餓感は、食物の離脱症状であり、本当の飢餓ではない。4-5日目になると症状は全く無いだろう。最初の離脱症状が飢餓であると思えば、その後さらにひどくなると思うであろう。本当の飢餓症状はずっと後にやってくる。

中毒性のある食物を大量に摂取してはならない。中程度にコーヒーを飲む人でさえ、離脱症状を経験する。中毒は離脱症状を恐れる余り悪化することがある。薬物中毒者で、中毒症状の恐怖を聞いて恐れる者は、実際に(恐れていない者よりも)離脱症状で苦しむ。恐怖とパニックの大部分は予防できることを伝え、安心させる。

絶水と離脱症状の一致は役にたつ。絶食中は、高血糖と低血糖の振幅が突然中止する。離脱期に食べてはいけない食物を摂ると、血糖値の振幅はいつもよりさらに悪化する。有名なボストン病院のアルコール病棟では、ACTHなどのホルモン治療とほかの治療を比較している。その病棟の神経内科医によると、アルコール患者らをベッドへ連れて行き、食事を欲するまで見ながら待っているのが一番よいとのことであった。彼らは”アルコールによる飢餓”の治療を受けていたということである。

食物の中毒(正確にいうとジャンクフード中毒)の治療は、中毒を起こしている食品を減らしていく。患者には離脱症状はそれほど酷くなく、対処できることが伝えられる。食品を2-3日摂らなくても死にはせず、ひどい低血糖発作をおこすこともないことを伝える。何ヶ月か後には、その食品への渇望は消失する。しかし、食べ始めると食物への渇望は急激に復活する。

アルコール中毒者はこれに加え、特別な治療を要する。なぜなら、長年の飲酒により栄養失調をきたし、ひどく代謝に異常をきたしているためである。離脱の時に、深刻なせん妄振戦やせん妄痙攣を来たす危険がある。せん妄は、最初は大量のビタミン静脈内投与、引き続いて大量ビタミン内服で治療可能である。最も重要なのはビタミンB3(ナイアシンあるいはナイアシンアミド)である。またアルコールによるストレスで失われたビタミンCを補充する。チアミンとその他のビタミンB群も必要である。アルコールは亜鉛とマグネシウムを体内から失わせるので、これらの補充が必要である。アルコール毒性の後遺症がなくなれば、ビタミンの量を減量できる。

治療の2番目のフェーズはより困難である。治療意欲と逆相関するので。 治療意欲が高い患者はあまり治療が必要でない。治療意欲は”底を打った”つまりアルコールによる苦痛が、しらふでいることよりも酷い苦痛であると知った時にもたらされる。治療意欲は、社会や家族からのプレッシャーでももたらされる。治療意欲は、痛み、緊張、ウツによって減退する。治療方針は、患者の体調を維持改善させ、うつや不安を減少させることになる。体調の改善は砂糖フリー、アレルギーフリーな食品とビタミン療法で行う。特にビタミンB3とビタミンCである。ビル・ウィルソンはAlcholics Anonymous(アルコールの自助グループ)の共同創設者の一人である。彼は「ナイアシンが疲労、うつ、不安を改善させる効果を持つ」という最初の医学論文を発表した。この医学研究は1974年に発表された。うつには抗うつ薬も有効である。

薬物中毒には別の問題がある。ここでも2つのフェーズが存在する。離脱期の症状と、再発防止の時期である。私はヘロインの利用を防ぐ為にmethadoneを用いることは無い。私は1つの薬物を止めさせる為に、ほかの薬剤に置き換えることには価値が無いと思う。(社会的には意味があっても)私は中毒者がオーソモレキュラー療法を受け入れれば、治療はうまくいくと確信を持っている。離脱症状は、ジャンクフリーの食品あるいは絶食(同意があればビタミン療法も)で、たやすくコントロールできる。最も重要なビタミンはB3とCである。研究報告によると、大量ナイアシン療法は、離脱症状を和らげ、どの中毒薬物であれ、やめるのに大変役立つ。アスコルビン酸(ビタミンC)も用いられる。1日30グラムが高たんぱくとビタミンB群とともに与えられる。この治療が離脱症状を緩和する。8-10日後、アスコルビン酸の量をゆっくり減量する。アスコルビン酸の治療中は、薬物に対する渇望がなくなる。ナイアシンアミドは脳内でジアゼピンレセプターに働く。一方でアスコルビン酸はドーパミンレセプターに働く(Haldolや他のトランキライザーのように)。摂取量の1%以下しか脳内へ入らないので、大量のビタミンが必要である。