ヘモグロビン異常症
ドクターサロン 2026年3月号より
27歳健康男性が事業所健診で赤血球数738万、HCT43.6%、MCV 59 MCHC 18 MCHC 30.5と著明な小球性低色素性の赤血球を認めました。前年のデータもほぼ同様で生化学データにも顕著な異常は認めませんでした。ヘモグロビン異常症と思われますが、対応について御教示ください。
①小球性低色素性貧血の鑑別になる。まず鉄をチェック。
②まずは、地中海性貧血、サラセミアが想起される。
③サラセミアAの保因者は2000-2500人に一人。サラセミアBの保因者は600-1000人に一人。
④サラセミアは、軽い貧血が継続するケースが多い。
⑤便利なMentzer indexを用いてサラセミアの評価をする。MCVが59.1赤血球数は738万で、Mentzer indexで計算すると8.0となる。このスコアが13未満の場合は、ほぼ間違いなくサラセミアの体質をお持ちであるということです。
Mentzer指数は、小球性貧血の鑑別に用いられる指標で、MCVをRBC数で割って算出され、サラセミアと鉄欠乏性貧血の区別に役立ちます。Mentzer指数は、平均赤血球容積(MCV, fL)を赤血球数(RBC, ×10^6/μL)で割ることで計算されます(Mentzer index = MCV ÷ RBC)。この簡単な計算により、血液検査の結果から小球性貧血の原因を推測することができます
⑥サラセミアでヘモグロビンの分子のアンバランスが生じる。のみならず、無効造血も生じる。無効造血疾患ともいえる。