統合失調症

ORTHOMOLECULAR MEDICINE FOR EVERYONE より

統合失調症

普通、患者は一人で診察を受けるが、しっかりとした人がついていないと、有用な情報を得ることができない。両親や親戚に一緒にディスカッションや治療に関わってもらうと良い。通常患者は大変混乱しているので、ディスカッションの内容をあまり覚えていない。家族と共にいる状況で治療内容を説明するのがよい。

 

診断が確定した後、その患者の詳細について話し合われる。統合失調症は恐ろしい疾患で、早期治療が大切なので、最初の診察で診断がつくことが望ましい。必要なら診断を後に見直す。私は、”統合失調症とは、生化学的異常が原因で精神症状を引き起こす疾病である”と説明する。主として脳にしか異常をきたさない点で、他の代謝性疾患と異なっている。私は以下の点について患者にはっきりと説明する。誰も(両親、社会、患者自身)非難されてはならない。悪い親や悪い社会、あるいは本人の問題で病気になる、という概念が、患者に多大な害を及ぼしている。心理学者が根拠薄弱な仮説を述べているにすぎない。どのような病気の場合も、両親や社会はこの誤った考え(病気)に巻き込まれてしまうのである。

 

統合失調症は、いくつかの異なった原因により引き起こされるいくつかの病気である。治療は原因による。一般的に、患者は自分が統合失調症であると告げられると、安心し、治療に協力することが多い。今日では、多くの医師が患者に病名を告げる。我々が患者に病名を告げ始めた1959年当時は、これは異端であって、けしてしてはいけないことであった。

 

患者は皆どれくらいの期間苦しまなければならないかを知りたがるので、病気の予後について話すのを避けてはならない。予後については、ファクターが多いので、正確に予測することは困難である。慢性統合失調症は、急性のものよりも時間がかかる。患者がどのくらい治療に前向きであるかが、予後予測のファクターになる。改善を信じることができない場合は、やはり治療困難となる。結局、治療に協力的になれないからだ。家族は大変重要である。家族の協力があってこそ、改善が見込める。

 

治療経過はフォローアップされ、改善しているか調べられる。HODテスト、EWIテストなどが用いられる。

 

オーソモレキュラーの治療は、1剤や2剤の薬剤を用いる治療に比べ、より洗練されている。治療者はすべての薬について知らなければならないが、同時にすべての栄養素とサプリメントについても知らなければならない。多くの患者は初診時にいくらかのトランキライザーを内服している。もしトランキライザーが症状コントロールに役立っているのであれば、継続するのがよい。栄養療法はゆっくり効果がでてくるものだから。もし急に断薬すると、栄養療法が効果がでる前であれば、症状が再発する。患者はトランキライザーだけを使いたがるかもしれない。多くのヘルスプラン(医療保険?)は、薬はカバーしているが、ビタミン類はカバーしていないからだ。私は「トランキライザーのみでは誰も治癒しない」と患者に伝える。トランキライザーは多少症状を軽減し、人生を少し耐えやすくするだけである。言い換えると、行動が少しまともになった、慢性薬物依存者を作り出すのだ。

 

オーソモレキュラー療法のみが多数の統合失調患者に、健康で独立する希望を与える。もし、患者の食事が不十分であれば(多くの場合はそうであるが)、食事について詳細に話し合わなければならない。なぜシュガーフリー・ジャンクフリー・ある種の食品を避ける(ミルク、パンなど)などが必要か説明を受ける。多くの患者は1-2週間の離脱症状を経験する。多くはそうひどくはないが、深刻な患者もいる。患者に離脱症状について説明しておく必要がある。

 

それから患者は推奨される栄養素のリストを与えられる。最低でもビタミンB3とビタミンCは必要である。わたしは通常処方箋にビタミンの名前と量を記載する。そして私の文字が読めるか、私が何を勧めているかわかるか確認する。ナイアシンフラッシュなどの副作用についても説明しておく。私はピリドキシン(ビタミンB6)も(通常亜鉛とともに)用いる。ピロウリア(クリプトピロール、mouve factorとしても知られている尿中物質)を改善させる、あるいは月経前症候群の改善のため。

 

私は次のような手順でオーソモレキュラー療法を開始する。

ステップ1 患者に病名を伝える。これは代謝性(化学的)の病気であり、主たる治療法は栄養療法・サプリメント・薬物(必要であれば)である。

ステップ2 シュガーフリーダイエットについて、またなぜ必要であるかを説明する。

ステップ3 もし食物アレルギーの既往があれば、どの食品であるかを検討し、4週間かそれ以上やめてみる。

ステップ4 ビタミンB3(1000mgを1日3回)を開始する。ナイアシンフラッシュについて説明しておく。

ステップ5 ビタミンCを加える(1000mgを1日3回)

ステップ6 ピリドキシンの適応があれば加える。ピリドキシンを加えるときには亜鉛も加える。

ステップ7 もし必要であれば、基本的な抗精神病薬を用いる。

 

次の受診時には、患者や家族にどのような変化があったかを尋ねて評価する。反応や副作用を調べて内服量を調整する。ビタミン類は比較的安全で、推奨量の中での増量は恐れるべきでない。基本的ルールとして、副作用がでないかぎり、効果を認める至適量まで十分な用量を用いる。改善はとてもゆっくりなことがある。治療者はトランキライザーの早い効果と、ビタミンによるゆっくりした効果を見分けなければならない。