処方カスケード 具体例・・・高齢者の救急外来受診のうち、薬剤有害事象によるものは、10‐20%前後と言われている。”クスリはリスク”
より
米国老年医 Gurwitz 「高齢者を診たら薬の副作用を疑え」
処方カスケード(上も参考にした。)
①NSAIDS→高血圧→降圧薬・・・最近は、アセトアミノフェンの処方の方が多いか。
②サイアザイド系利尿薬→痛風→尿酸降下薬・・・最近はあまり尿酸を下げる薬を使わなくなっている。
③利尿薬→頻尿→頻尿治療薬・・・ポリファーマシーになると、やりかねず。
④ACE阻害薬→咳→抗菌薬→抗菌薬による下痢→下痢止め・・・さすがにこれは今は少ないのでは。
⑤抗精神病薬→パーキンソニズム→パーキンソン治療薬・・・セルシンの減量で震えと傾きが改善したケースがあった。
⑥コリンエステラーゼ阻害薬(認知症治療薬)→尿失禁→抗コリン薬・・・これは初めて聞いた。
⑦降圧薬や抗菌薬などによる吐き気→吐き気止め・・・降圧薬の吐き気は経験がない。
⑧エリスロマイシンによる不整脈→抗不整脈薬・・・エリスロマイシンは使わないが、マクロライド系共通らしい。
⑨リチウムによる薬剤性パーキンソニズム→パーキンソン病治療薬・・・精神科が主に使う薬
➉メトクロプラミド(吐き気止め)による薬剤性パーキンソニズム→パーキンソン病治療薬・・・結構有名
⑪H2ブロッカーによるせん妄→リスペリドンなどの抗精神病薬・・・あまり意識したことがない。
⑫シロスタゾールによる頻脈→ベータブロッカーなどの脈拍数を減らす薬・・・プレタールは比較的よく使用している。
⑬プレガバリンによる浮腫→利尿薬・・・知らなかった。
⑭グリチルリチン(漢方も含む)による低カリウム血症→カリウム製剤→高血圧の持続→降圧薬・・・・時々経験する。
⑮食欲不振→スルピリド→錐体外路症状→抗パーキンソン病薬→認知機能低下→認知症治療薬→食欲不振・・・大変有名
⑯Ca拮抗薬の副作用である「頭痛」にNSAIDsを処方
⑰プレガバリン(商品名:リリカ)によるめまいに、ベタヒスチンメシル酸塩(商品名:メリスロン)などを処方
⑱プロトンポンプインヒビターによる下痢→下痢止めや整腸剤
⑲血圧上昇⇒Ca拮抗薬追加⇒下腿浮腫⇒利尿薬追加⇒頻尿⇒抗コリン薬追加⇒口渇
⑳夜間頻尿にステーブラの処方→便秘の悪化→酸化マグネシウムの増量→腎機能に問題あり。
その他
①認知症患者にアリセプト→いらいら、怒りっぽい→抗精神病薬の処方→ぼーっとしている。活気と反応がなくなる。
②認知症にメマリー→足腰が立たなくなる→リハビリが強化される。
③認知症にメマリー→一日中眠っている。
④ベータ刺激薬(吸入)、あるいはプレドニンの内服→低カリウム血症→カリウム製剤の処方
⑤胃腸炎などで脱水になる→活性型ビタミン製剤による高カルシウム血症→意識障害→救急車で運ばれる
⑥DPP4阻害薬による多発関節炎→関節リウマチと間違われる?
⑦DPP4阻害薬による類天疱瘡・・・あるらしい。