潰瘍性大腸炎とクローン病・・・ケースレポート

炎症性腸疾患の栄養療法

ORTHOMOLECULAR MEDICINE FOR EVERYONEより

潰瘍性大腸炎

約18年前、J.S.は二つの悲劇にくるしめられていた。 娘と息子を失ったことである。彼は大変落ち込み、このときに腸炎の症状を発症した。夫妻は互いにすばらしい精神的な援助をしたが、妻は1年後に亡くなった。これでさらに落ち込み、抑うつ状態となった。潰瘍性大腸炎はひどく悪化し、腸閉塞をきたした。外科手術(結腸人工肛門造設術)を受けた。しかし、潰瘍は部分的な改善を認めるのみであった。瘢痕が多く、改善する見込みがない状況であった。

 

私が彼を診察する6ヶ月ほど前に、彼は自分でビタミン療法を開始した。4ヶ月後、三環系抗うつ薬を開始した。食事の改善に取り組み、赤身肉をやめた。私は彼に乳製品の摂取をやめ、ビタミン療法を継続するようにアドバイスをした。ナイアシンの追加、セレンの追加、そしてビタミンC増量の指示をした。6週間後、腸炎の症状は着実に改善を認め、活力がでてきた。6ヵ月後、(縁石に飛び上がることはできなかったが)、階段をあがれるようになった。潰瘍部分は改善し、人工肛門は中止できた。

クローン病

およそ10年ほど前、G.S.は排尿時痛を発症した。これがクローン病の最初の症状であった。2年後、ひどい痛みで手術が必要となった。手術時に、膀胱と大腸が癒着していることが明らかになった。手術後に症状の緩和を認めたが、彼は再発を恐れていた。

私は砂糖なし、ビタミンC,ビタミンE,亜鉛、そしてマルチビタミンを勧めた。1年後、彼の状態はよく、クローン病の再発の兆候を認めなかった。

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