地方でのがん治療医と血液内科医の不足を解消するため具体策を求める
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署名活動の主旨
がんの治療法・治療薬の進歩により、多くのがんが慢性疾患となり、診療を受ける患者さんの数は年々増加しています。実際、最新の国立がん研究センターの統計では日本人の男性における生涯がん罹患率は63.8%、女性では50.8%と報告されています(2021年データに基づく)。しかし、地方の大学病院の血液内科医として診療を続ける中で、年々、悪性腫瘍の薬物療法を行う腫瘍内科医や血液内科医の不足が深刻化している問題を懸念しています。このような「がん治療医不足」は、「働き方改革」が謳われる世の中の流れと逆行し、がん医療に携わる医療従事者の労働環境を過酷な状態に追い込んでいることをぜひ国民の皆様に知っていただきたく、本署名活動を開始することとしました。
現役で診療を行っている腫瘍内科医や血液内科医に関する統計資料はありませんが、厚生労働省が毎年公表している「医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」に基づくと、日本の実働血液内科医推定数は2016年:2,650人、2020年:2,840人, 2024年: 3,038人と報告されており、2016年から2024年まで伸び率はほぼ変わらず、全国で毎年約50名ずつしか増加していないこととなります。令和8年度の診療報酬改定では、医師が不足している診療科に対する支援策として「地域医療体制確保加算2」(若手医師の減少が顕在化している「特定診療科(消化器外科、心臓外科、小児外科、循環器内科)」を設定し、特定診療科の医師に手当を支給することなどを要件とした入院料に対する加算)が新設されました。特定診療科に唯一の内科系診療科として含まれている循環器内科は、先ほどの厚生労働省統計によると2020年の実働医師推定数は13,026人、同じく15,432人の消化器内科と並びもっとも医師数が多い診療科であり、はるかに医師不足に苦しむ腫瘍内科や血液内科が含まれていないことは不合理と感じました。
実際に地方では、一年間に一人の腫瘍内科医・血液内科医も輩出できない県も複数存在しており、このままでは適切な医療が提供できなくなり、「がん難民」が増加していく恐れがあります。この問題を改善するためには、海外のように診療科の偏在を防ぐ専門診療科選択制度の導入を議論していくことや、専門医が少ない診療科への具体的な支援を社会全体で推進していくことが求められています。ちなみに厚生労働省の「第1回医師養成過程を通じた医師の偏在対策等に対する検討会」(2024年1月29日)の資料によれば、現在、医師数の伸び率が多い上位3つの診療科はリハビリテーション科、形成外科、麻酔科となっており、がんの手術療法に不可欠な外科の医師数はむしろ減少傾向に至っています。このような現状を多くの国民の皆様と共有し、がん治療医や血液内科医の成り手不足・地域偏在が解消されるように、今こそ地方自治体や学会、厚生労働省が一体となって取り組む新たな活動を創出していかなければなりません。
すでに日本消化器外科学会や日本循環器学会では、国民を対象として専門医師数不足の広報活動を展開しています。まずは同様に、関連学会と厚生労働省に「がん治療医・血液内科医不足」の深刻な現状を認識してもらい、具体的な「目に見える」対策に取り組んでもらうことを強く望みます。わが国における「がん医療の人材不足」は、学校での「がん教育」・医学教育のあり方・卒後臨床研修制度などが複雑に絡み合って生じており、解決が容易な問題ではありません。もし10,000名の方から賛同の署名をいただければ、次の一歩として、現状改革に向けた要望書とともに厚生労働大臣に提出することを考えております。どの地域に暮らしていても安心して適切ながん医療を受けられる環境を守り、わが国の医療の未来を支えるため、ぜひ皆様のご署名をお願いいたします。