U波について
日本臨床内科学会雑誌 2025年3月号より
U派は、T派の後ろに続く小さな陽性波で、V2-V4誘導で認めやすく、肢誘導では目立たない。また、必ずしもすべての誘導で確認できるわけでなく、加齢とともの出現率は低下し、波形の高さも小さくなる。正常のU波はT派の高さと関連し、通常はT波の1/4以下の高さで、2.0㎜を超えない。高さが2.0mm以上、あるいはT派よりも高い陽性U波、AVR誘導以外で陰性U波を認める時は異常である。異常陽性U波はV1-V3誘導。陰性U波はV4-V6誘導に現れやすいが、注意深く判読しないと見逃されてしまう。異常陽性U波とSTーT変化、QT延長を認める時は、低カリウム血症を疑う。一方、陰性U波は虚血性心疾患や大動脈弁閉鎖不全症などの弁膜症、高血圧症、心筋症など、さまざまな疾患で認める。たとえ二相性U波であっても、その一部が陰性であれば陰性U波と判読する。 特に虚血性心疾患の場合は、高度の冠動脈狭窄や近位部狭窄といった重症例が多く、危険なサインである。また、高血圧症の患者では約30%に陰性U波を認め、特にV5-6誘導においてR波が高く、ST-T変化を伴う場合に出現しやすい。このような高血圧症に伴う陰性U波は、適切な降圧治療によって改善、消失する。U波は小さな波形であるが、その以上は臨床的に極めて重要であり、見逃すことのないように注意する。