糖質制限かからたどり着いた補完食・・・「おかゆから始めない補完食」・・・十分に知られていない重要な情報

糖質制限通信 2025年12月号 岡田清治先生の論文より 「おかゆから始めない補完食」

まず、生後4-6か月まで、母乳や育児用ミルクで育っています。その成分をみるとカロリーベースで半分近くが脂質です。
また、生後半年もすると、母乳や育児用ミルクだけではエネルギーを十分に満たすことができなくなりますので、母乳以外で補ってあげる必要があるということです。
市町村の行う離乳食教室では人生で初めて赤ちゃんに与える一口目に「お米から炊いた10倍がゆ」を推奨しています。ところが、10倍がゆの栄養を見てみると、100gあたりたったの33k㌍しかなく、赤ちゃんのメインエネルギーである脂質は0.1gと、ほぼ含まれていません。100gあたり61キロカロリーある母乳のの半分のエネルギー量しか含まれていないのです。半年後から補う必要がある鉄分も、体の成長に欠かせないタンパク質も、ほとんど含まれていません。これでは、赤ちゃんはすぐに栄養不足になってしまいます。
離乳食に多い悩みに「全然食べてくれません」というものがありますが、それも無理ありません。これまで、脂質たっぷりの母乳を飲んできた赤ちゃんが、こんな薄くて水っぽい、味気のないものを喜んで食べるわけがないのです。

離乳食を嫌がる赤ちゃんに困った親御さんが、保健師や栄養士に相談すると「授乳する前にあげてください」と指導されます。しかし、赤ちゃんがおなかを空かせるタイミングを見て、栄養がほぼないものを無理に与えることは、正しいとはとても言えません。さらに「赤ちゃんはお肉が消化できませんから、あげてはいけません」ということがよく聞かれます。しかし、これは大きな誤りです。医師が学ぶ生化学の教科書には「脂肪を分解する酵素とタンパク質を分解する酵素は、死後1か月で大人と同じになる」と書いてあります。そうでなければ、母乳を消化吸収することができないのですから、当たり前と言えば当たり前です。
私が外来でおかゆから始めない補完食を指導する際、これまで解説してきた科学的な根拠は次の通りです。

①赤ちゃんはタンパク質、脂質を分解する能力がある。
②生後半年には体に蓄えていた鉄が枯渇し、さらにタンパク質、脂質の必要量も増える
③3歳までは炭水化物を分解する能力が未熟

つまり、鉄、タンパク質、脂質が豊富な動物性食品を生後半年から赤ちゃんに与えることこそが、科学的、栄養学的な根拠のある離乳食であるということです。
赤ちゃんは、生後半年を過ぎると、お母さんからもらった鉄が体の中で枯渇してきます。図3のように、お母さんからもらった鉄は成長とともに減っていき、7-8か月のころには、多くの子供たちが貧血になっています。鉄は、体内でエネルギーを産生したり、身体を発達させる上で欠かせない、非常に重要な栄養素です。一生の中で最も急激に成長を遂げる乳幼児期に鉄が不足することで、脳や運動の神経発達に大きなリスクが生じてしまいます。
この重要な情報が十分に伝わっていないと私は考えています。実際に、この事実を知らない親御さんが多く、鉄がほぼゼロのおかゆで補完食をはじめることに、なんの疑問もリスクも感じていないのです。鉄分を効率よく摂るためには、レバーや赤身肉などの動物性食品が欠かせません。