アスピリン難聴
難聴は厄介な状態ですが、対策がなかなか立てにくいですね。
三石先生は著書の中で、自身の難聴について、アスピリンとの関係を述べておられます。
継続して飲む薬は注意が必要ですね。
以下「老化と活性酸素」より引用
ただ、私の難聴の原因が、単なる老化にあるとしてよいのかどうかについて、1つの疑問があります。それは、アスピリンをずいぶん使ったということです。アスピリンは、もっとも副作用の少ない薬だといわれていますが、難聴につながることが分かってきました。そうだとすると、私の難聴にはアスピリンが一役かっているおそれがある、といわなければなりません。それは、1つの警戒事項として注意しておくほうが良いと思います。
今日的には、アスピリンは胃に孔があきやすい、けっこうやばい薬ではあります。
参考文献
アスピリン難聴の特徴について CHARACTERISTIC FEATURE OF ASPIRIN INDUCED HEARING LOSS 立木 孝 1 , 南 吉文 1 , 川瀬 尚 1 Takashi Tsuiki 1 1岩手医科大学医学部耳鼻咽喉科学教室
Ⅰ.緒言
アスピリン(サルチル酸製剤)が聴覚障害の原因となり得ることは,すでに100年も前から知られているが,その実態がわかり始めたのはつい最近のことである。アスピリンが世界中至る所で昔から使われている薬であるにもかかわらず,副作用としての難聴の報告が数えるほどしかなく,またその実態が長い間明確にならなかったのは,その難聴が一過性であり,アスピリン投与を中止することによって一般には痕跡なく消失することによると思われる。アスピリンによる難聴が一過性であるという事実は,この難聴の臨床的意味を経いものにしているわけであるが,内耳性難聴の病態生理を考察する上には重要な現象である。
最近筆者らは,アスピリン大量投与によって一過性の難聴を起こした少女の聴力を,投与前から完全回復までの8日間,経過を追って追跡観察した。聴力の検査は通常の純音オージナメトリーと,自記オージオメトリーとによった。この知見は筆者らが調査し得た限りにおいて今までの文献に見出されないものであり,新しい知見である。