CPAPでEDが改善することがある。

日本医師会雑誌 2024年12月号より

当院の呼吸器内科医がまとめたデータによると、SASの患者さんは比較的若い頃からEDの傾向があり、40代以降ではほとんど横ばいになりますが、大体7-8割がEDになっています。SASでなぜEDなるのかは、まだまだ議論の余地があるのですが、SASでレム睡眠が下がった時に夜間勃起の回数が減り、酸素が足りなくなって海綿体の繊維化が進むと言われています。その他に交感神経が刺激されることで血管内皮機能に影響するとか、心臓に負担がかかってANP値が上がると夜間頻尿になり勃起に影響するなど、いろいろなことがいわれているものの、確たることはわかっていないのが現状です。

治療についても実は患者によって結果がかなりバラバラのようです。先の当院での観察期間を1か月とした小規模データでは、SASの治療によって夜間頻尿は劇的によくなったのですが、EDはなかなか治らない患者が多かったようです。ただし、欧米などでの3年という長期間の観察報告では改善があるということなので、治療期間の問題があるのかもしれません。

Q EDで受診した患者さんを診たらSASで、SASを治療したらよくなったという経験をお持ちの先生はおられますか?

A 更年期のEDで受診されて、診療したら実はSASがあったという患者さんはいます。SASがある場合はテストステロン補充療法は禁忌なので、「CPAPでまずはSASを治療しましょう」と話すことが多いです。また、CPAPでEDが改善する患者さんは比較的多く経験します。

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