亜鉛サプリと貧血
亜鉛サプリメントの継続内服により、銅欠乏症をきたし、最終的に貧血(骨髄異型性症候群:鉄芽球性不応性貧血)をきたすことがあるようです。
亜鉛欠乏にフォーカスされることが多いと思いますが、サプリメントをとるときには、注意も必要ですね。
しかし、600mgとはかなりの高用量ですね。普通はこの量は内服しないでしょう。
以下 外来診療ドリル 200問 松村真司編 より引用
鉄芽球製不応性貧血は、誘因のない原発性(一次性)のものと、アルコール、クロラムフェニコール、鉛などの中毒、ビタミンB6や銅欠乏による続発性(二次性)のものがある。
亜鉛は、小腸上皮から吸収されるが、この時に、銅との干渉が知られている。これには様々なメカニズムが考えられているが、ひとつの可能性として、小腸上皮細胞中の銅・亜鉛結合蛋白メタロチオネインの排出がある。メタロチオネインが銅と亜鉛と結合したまま、小腸上皮の脱落とともに便中に排出される結果、過量亜鉛が排出されると同時に銅の排出が促進されるため、銅欠乏となる。・・・亜鉛600mg/日程度で、亜鉛の過剰摂取による貧血が生じうる。