マグネシウムと骨粗しょう症
2017年10月19日 再掲 マグネシウムと骨粗鬆症
奇蹟のマグネシウムより
困ったことには、骨粗鬆症の治療法は、「カルシウムを摂ろう!」 という、たった一つのシュプレヒコールに集約されてしまっている。カルシウムは骨粗鬆症のあらゆる議論で幅をきかせ、何十種類もの食品(オレンジジュースやシリアルにまで)に強化剤として使われ、サプリメントとしても最も売れている。しかし、カルシウムは独り立ちできる存在ではないのである。
第一章ではカルシウムとマグネシウムの共同作業について述べた。この2つのミネラルは、互いに極めて密接に関与しながら作用を果たしているため、片方が欠けると、たちまち相手の有効性が阻害されてしまうことになる。
この10年間、骨粗鬆症への対応にカルシウムサプリメントの使用が著しく増大しているが、学問的研究では、これほどまでに大量の投与を閉経後に行うことが妥当だとはみなされていない。軟組織の石灰化も、カルシウムの摂りすぎによっておこる深刻な副作用の1つである。
通例、骨粗鬆症は進行性の疾患である。そのため、不治の病だという人もいるが、対応が可能なリスク要因を避け、骨を作る栄養素を幅広く摂り、運動を欠かさなければ、たとえ症状が出ていたとしても、病気の進行を食い止めることは可能である。