‟ヤブ化”を防ぐ! 「外来診療」基本の(き)Part2

総合診療 2020年 12月号 ‟ヤブ化”を防ぐ! 「外来診療」基本の(き)Part2 (日本語) 雑誌より

山中克郎先生の企画 第2弾

全体に、ベーシックだがポイントを押さえていて、勉強になります。

ヤブ化度チェックテストでは、10問中2問がビタミンに関する設問。 内科医は栄養学的な面への配慮がより求められていると思う。同時に薬物副作用のチェックは、従来どおりに協調されている。

①がに股歩行なら、小脳失調か後索障害を疑う。両足をつけて起立した場合、開眼していてもふらつけば、小脳。閉眼してふらつけば後索障害。

 

②薬剤性過敏症候群とは(dish)

薬剤投与から2-8週間で皮疹が出現し、薬剤を中止しても数週間は症状が進行する。hhv-6やサイトメガロウイルス、EBvirusが活性化することによる

 

③ビタミンb1欠乏症の3徴と、だれがなりやすいか?

⑴意識変容 ⑵運動失調 ⑶外眼筋麻痺

アルコール多飲者、食事が摂れていない人(つわり、拒食症、ホームレス)、血液透析患者

 

④Toxic Shock Syndromeとは

発熱と血圧低下、全身紅斑(下痢)から疑う。

 

⑤静脈不全の所見

下肢静脈瘤、うっ血性皮膚炎、全面の色素沈着、足関節部分の色素沈着、内果の血管拡張など

 

⑥脳梗塞のTHRAPEUTIC TIME WINDOWの変更

これまでは発症後4.5時間以内だったが、時間が長くなっているらしい。

内頚動脈、中大脳動脈起始部閉塞には発症6時間以内に治療を行うことが強く推奨されている。

症例によっては24時間以内まで血管内治療開始を延長しうる

 

⑦不眠

非ベンゾジアゼピン睡眠薬(ルネスタ)などは、その名に反して、ベンゾジアゼピン受容体作動薬である。依存性、転倒などの副作用は期待されたほどベンゾから改善されていないらしい。

オレキシン受容体拮抗薬(ベルソムラ)が第一選択薬

 

⑧薬剤性失神のリスト

⑴QT延長をきたす・・・1a群抗不整脈薬、三環系抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、ハロペリドール、マクロライド、ニューキノロン

⑵徐脈・・・ジゴキシン、ベータブロッカー、カルシウム拮抗薬

⑶起立性低血圧をおこす・・・降圧薬、利尿薬、ドパミン受容体作動薬、抗うつ薬、睡眠薬、にとろ、アルファ遮断薬など

 

⑨収縮能が低下した心不全には、ACE-I, ARB, ベータブロッカーを

上記が有効であることにもはや異論はなく、積極的な導入が望まれる。(循環器内科医はACE-Iを好まれますね。古い薬の方がよいことも少なくない。)

 

冠動脈疾患には触診を

少し逆説的ですが・・・。

肋軟骨炎・Tietze症候群・Sternalis syndrome・剣状突起痛・Slipping rib syndrome・Mondor病などは触診で鑑別可能!!