多発性硬化症・・・The coconut oil and Low-carb Solutionより
Basic Health Publications, Inc.
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上記より引用
多発性硬化症は、20-40歳の若年成人に多い神経変性疾患である。手足が動かしにくい等の症状が、軽度から重度など様々な程度に寛解と増悪を繰り返す。感染症を起こしたときに増悪しやすい。NIND(National Institute of Neurologic Disorders)によると全米で25万人から35万人の患者がいる。この病気で死ぬ人は少なく、寿命を全うできることが多い。多発性硬化症は、(証明されていないが)自己免疫疾患と考えられている。ウイルス感染が契機となって自己抗体ができ、正常な組織を攻撃する。神経の髄鞘(ミエリン)、脳神経、脊髄、眼神経などが侵される。ティーンエイジャーや若い成人でエプスタイン・バールウイルスによる伝染性単核球症に罹患したものは、多発性硬化症を発症しやすい。このことから、エプスタイン・バールウイルスとの関連が疑われている。
ミエリン鞘はスポット状に侵される。リスが電話線をかじって不通にするのに似ている。そのため、最初はあまり影響が表れない。多発性硬化症の典型的な初発症状は、次のようなものである。眼痛、複視、眼がかすむ、筋力低下、筋硬直、全身のしびれや痛みなど。巧緻運動障害、めまい、突然排尿したくなるなどの膀胱症状。多くの人が精神症状と倦怠感をきたす。双極性障害、鬱と多幸、集中できない、意思決定できない、優先順位をつけれないなど。
アルツハイマー病や他の認知症、パーキンソン病と同様に、多発性硬化症では脳のブドウ糖のアップテイクが低下している。(PDG-PET SCANによる検査)(Bakshi, 1988) ある研究では、多発性硬化症ではインスリン抵抗性が増加していた。(正常21%に対し多発性硬化症では40%)(Oliveira, 2014)ApoE4遺伝子(アルツハイマー病の主たる遺伝素因)を持っている人は、灰白質の萎縮をきたしやすく、平均より早期に多発性硬化症を発症しやすい。(Horakoba,2010)
多発性硬化症が治癒することはない。症状コントロールや再燃を防ぐために、ベータインターフェロン、グラチラマー酢酸塩(Copaxone)、ジメチルフマル酸(Tecfidera)などが用いられる。多発性硬化症患者は、”アタック”と呼ばれる、症状の増悪期を経験する。この時期にはコルチコステロイド、血漿交換などが行われる。対症療法として抗精神病薬と筋肉の緊張を和らげる薬などが処方される。
Terry Wahls医師は異なった治療法をThe Wahls Protocol:How I Beat Progressive MS Using Paleo Principles and Functioal Medicne(2014)の中で提唱している。(Eve Adamsonとともに)このプロトコールは主として食事療法であり、まずWahls自身そして多くの患者の経験をもとにしている。彼女はサプリメントを中止し、3カップの緑黄色野菜などを直接とることにした。(collards,kale,spinachi, etc) 硫黄に富む野菜。(asparagus, broccoli, Brussels sprouts, cabbage, etc)。色の薄い野菜。彼女は数か月もせずに改善した。多くの時間を車いす上で過ごしていたが、歩けるようになり、マラソンで自転車に乗ることすらできるようになった。この本の内容は、他の疾患(脳に炎症があり、ミトコンドリア機能不全の)にも適用できる。
彼女の新しい”Wahls Plus Protocol”は2014年に発表された。ここではココナツオイルも採用されている。(1日少なくともテーブルスプーン4-6杯)これによりケトン体を上昇させ、ATP産生を増加させる。彼女は砂糖をやめることを勧めている。彼女は1日500から700カロリーをココナツオイルかココナツミルクから摂取している。現在このケトジェニック療法で臨床研究が行われているところである。
A Cloud Has Lifted
2013年の9月6日、ある若い男性からE-mailが送られてきた。「私は41歳で2002年に多発性硬化症と診断された。(rerapsing-remitting MS) 4か月ほどココナツオイルとMCTオイルを摂取したところ、頭の中の厚い雲が消えていった。短期記憶、計算能力が回復し、頭も回るようになった。
Holding Stable
2008年にSteeveがココナツオイルを取り始めて回復しはじめたころから、同僚にそのことを話しはじめた。同僚の一人が多発性硬化症の兄弟を連れて話をしにきた。 彼女はドイツの栄養指導者に9年も前に毎日ココナツオイルをとるように指導され、それ以来、そしてその後も状態が安定している。