講演会での質問

さる1月13日の講演会。専門的な質問をいくつかいただきました。

 

Q1 肉食が大腸がんを増加させる可能性について

 

A このような研究結果は、日本人の3倍以上の赤身肉を食べている欧米人で行われている。なおかつ、高糖質条件下の実験である。
世界的な潮流として、糖質が様々な疾患の原因と考えられだしている。一方、日本人の蛋白質摂取は不足している(特に高齢者)。
赤身肉摂取量はどのくらいが良いのか?今後長い時間をかけても私達が結論をみることはないかもしれない。
しかし、日本人が肉の摂取量を増やすのは理にかなっている。

 

Q2 糖尿病患者については、卵の摂取量が少ない方がよいという研究論文について

 

A これも高糖質条件下の研究報告であり、糖質を減らした場合のことは不明である。人間の身体はコレステロールでできており、「コレステロールの摂取を減らすのが健康」という考え方自体がおかしい。

 

Q3 血糖値を下げる為の運動は、食後あるいは食前?

 

A 一般的に、食後に運動するように推奨されている。
しかし、ボディービルダーの方によると、食前に筋トレをすると血糖値が上昇しにくいらしい。
フリースタイルリブレなどの自己血糖測定器の普及により、これまでの常識が覆されてきている。(ブラックコーヒーで血糖値が上がる人もいる)

 

Q4 がん患者の治療方針について

 

A 癌は種類が多く、それぞれの特徴が異なる。臓器によって、組織型によって。ケースバイケースで治療方針を考えるしかない。
血液疾患は抗がん剤で治癒する可能性がある。 抗がん剤には分子標的治療薬など、ひどい副作用のない新薬ができてきている。
いずれにしても、栄養療法を組み入れて治療を行えばよいと思う。デメリットはないので。
手術、抗がん剤(従来からある)、放射線治療について、一般化して述べることはできない。個別のケースで作戦を考えるしかない。