ローレンスティアニー パール98
「早すぎる閉経を続発性無月経と診断する前に、困難な出産歴がなかったかを聴きなさい。患者に感謝される治療可能な汎下垂体機能低下症が診断かもしれない」
内分泌疾患は、疑わない限りスルーしてしまいます。これまで見逃してきたのでしょうか?
岡田正人先生が、ケアネットDVD(clinical presentation studium)で下垂体機能低下症のプレゼンをされていました(Good Morning NY!)
意識障害と発熱で応答のできない女性に、若いレジデントだった岡田先生が、それでも毎日話しかけていた。意識障害の原因がわからず、それでも考え続け、甲状腺機能検査を見直すと・・・。TSHのデータはあるが、FT3,FT4のデータがない。これはひょっとして・・・。
このようにして下垂体機能低下症を診断し、治療を開始して、患者は意識を取り戻した。(FSH, LHも低下していた。)
「ありがとうございます。 先生の声は毎朝、聞こえていました。あなたが説明してくれるから、安心していました。」
岡田先生は学生時代から、ハリソン内科学、ケリー(膠原病の教科書)を読んでいたそうです。地道な努力が患者さんを救ったのです。見習わないといけないです。
引用
続発性無月経、および、筋力低下・易疲労・性的機能不全を含むほかの症状を有する女性において、汎下垂体機能低下症はよく見過ごされます。汎下垂体機能低下症の最も多い原因は、出産時の出血に関係し、結果的に下垂体出血、もしくは二次性の下垂体機能低下症を起こす低血圧です。下垂体、視床の腫瘍を含むほかの疾患も下垂体機能低下症の原因となります。しかし、脳の画像検査で異常が指摘できない場合は、以前の難産歴が医師に正しい診断の方向付けを示してくれる可能性があるのです。
Nature reviewsより
シーハン症候群の症状は、1種以上の下垂体ホルモンの減少または欠失に起因し、乳汁分泌低下や疲労などの非特異的症状から重篤な副腎不全まで多種多様である。血管系に関連するホルモン分泌細胞の位置と一致して、成長ホルモンとプロラクチンの分泌低下が最もよく見られ、卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンがこれに続く。下垂体の重度の壊死によっても、甲状腺刺激ホルモンと副腎皮質刺激ホルモンの分泌が低下する。
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