胃酸と胃潰瘍
Orthomolecular Medicine for Everyoneより
食物が胃にはいってきたときに、塩酸を含む胃酸が分泌される。おそらく99%以上の食物は、蛋白質とその他の物質がバランスされている。食物が胃に到達したときに、胃酸は蛋白質の消化に関与するが、蛋白質の量に制約される。そのため、余分な胃酸の分泌は抑えられ、胃粘膜は守られる。蛋白質は胃酸のバッファーとして胃壁を守っている。
しかし、今日の大量に消費されている食品は、本来の量より蛋白質量が少ないか、あるいは全く含まれていない。精製された小麦や米はおよそ10%の蛋白質を失っている。砂糖は蛋白質を全く含まない。ボトルの炭酸飲料を飲むとき(色や甘さが魅力的で飲むのだが)、胃には食物と思われるものが入ってくる。胃酸は普段どおりに分泌されるが、ソーダの中には蛋白質はなく、胃の中でソーダはフリーな状態になっている。胃酸の緩衝作用のある蛋白質は、胃粘膜そのものと浸出液中のタンパク質のみである。
消化性潰瘍の原因はより複雑である。今日では多くが、ヘリコバクターピロリの慢性感染が原因と考えられている。(抗生物質による治療が有効である。)未治療であると、後に胃がんをおこすかもしれない。消化性潰瘍は以前には心身症のひとつと考えられていたことがある。現在ではシュガーメタボリック症候群の要素が大きいと考えられるようになった。多くの時間を使った高度な精神分析よりも、栄養療法のほうが重要であることがわかってきた。
シュガーメタボリック症候群に該当するのは、このほかに、冠動脈疾患、腸管の大腸菌感染、胆石症などである。