海外でも糖質制限食は実践されている

堺整形外科医院 堺 研二先生 書籍より

2006年に放映された有名なアメリカ映画で、太っている人への言葉で「炭水化物ばかり食べているからそうなるのよ」というシーンがありました。

ということは、アメリカでは炭水化物を摂ると太るということが10年前には当然のように認知されていたわけです。そして、アメリカでは正式に糖尿病に対する食事療法の1つとして、糖質制限食が認められ実施されています。

 

スウェーデンにおいてはLCHF(low carb high fat)と呼ばれる食事療法(日本でいる糖質制限)を4人に1人は実践しているという情報もあります。日本では新しい食事療法になるかもしれませんが、世界に視野を拡げると比較的当たり前のように実施されているのが現状です。

 

日本ではどうかというと、2017年の今日に至っても糖尿病学会が「悪あがき」をしているのが現状です。糖尿病の治療として糖質制限を認めてしまうと今までの治療法を否定しなければならないからです。

しかし、最近になって日本糖尿病学会の理事長である門脇孝医師は「糖尿病専門医の一人の医師としては糖質制限食を推奨している」と明言しました。

また、東大病院では2015年4月に病院食の糖質量の割合を60%から40%に変更しているようです。

従って、多くの内科医もすでに糖質制限の有効性を十分に理解しておりますが、糖尿病学会の顔色をうかがって糖質制限を声高らかに謳うことができないわけです。そういうわけで糖尿病学会とは何のしがらみもない整形外科医である私が、糖尿病や肥満症の患者さんに対して糖質制限をおこなっているわけです。