高齢者の認知機能と口腔内環境との関連

広島医学会雑誌 2026年8月号より

市内6か所の高齢者施設に出前(訪問)健診を実施田。対象者は男性74名、女性215名、平均年齢85歳であった。認知機能検査として、物忘れ簡易スクリーニング検査を実施した。歯の咬合は義歯も含めた咬合支持の良否を3段階で評価した。その他、口腔衛生、握力、採血、骨密度などの検査も実施した。

咬合支持が不良な群および口腔衛生が不良な群は、いずれも認知機能が不良であり、握力、骨密度の値が低かった。多変量解析の結果、良好な認知機能と関連を示した因子は、握力良好、口腔衛生良好、咬合支持良好、中性脂肪高値の4つであった。
咬合および口腔衛生と認知機能との関連は、原因と結果の双方向で関連する可能性が指摘されている。高齢者の口腔内環境は、認知機能や全身の健康状態を反映する重要なバロメーターであり、定期的な歯科検診及び口腔ケアの充実が、高齢者の健康寿命を延伸させる効果的なアプローチとなり得る可能性が示された。