がんの診断に病理診断は必須であることを忘れるな!

メディチーナ2013年9月号より

 

がんの診断のゴールドスタンダードは病理診断であることは誰でも知っているが、画像診断の発達により、診断能が高まったため、病理診断を省略してしまうことが日常診療ではよく見られる。特に、多発転移がある場合には、その傾向は強くなる。どんな画像診断でも100%の特異度を有している物はない。もちろん病理診断も100%の診断手技ではないが、少なくとも組織採取が可能な病変はできる限り、組織採取を試みる事が大切である。筆者の経験でも、画像診断で腹水が著明で腹膜が肥厚し、腹膜播種に間違いないと診断された症例で、何度細胞診をやっても陽性とならず、やむなく化学療法を施行しようとしていたが、開腹生検をしてみたら、腹膜結核と診断された症例がある。

 コメント:いつも心に結核を!