サイアザイド系利尿薬と低ナトリウム血症について
以下引用
1)高血圧の小柄な高齢の女性がサイアザイド系降圧剤が開始後、全身倦怠感、筋力低下、意識レベルの低下等の症状が出現するのが、サイアザイド系利尿薬と低ナトリウム血症の典型的パターンである。
2)しばしば、116mEq/L未満の重篤な低ナトリウム血症を呈する。
3)ほとんどの症例が70歳以上であり、70%が女性(これは、高齢女性は、筋肉量が少なく容易に電解質異常をきたしやすい)
4)低ナトリウム血症を来す原因として、ほとんどの症例が有効循環血液量低下型と考えられている(臨床的にhypovolemiaが明らかなのは、24%という記載あり)が、有効循環血漿量の低下を伴わず、サイアザイド系利尿薬によるADHの分泌亢進型もあり、このタイプは、投与後数日で重篤な低ナトリウム血症を発症することがある。
6)サイアザイド系利尿薬を中止しても、低ナトリウム血症は1か月持続する。
7)ある専門家は、高齢の女性にサイアザイド系利尿剤を開始したら(特にNSAIDs併用時)投与後1-3日後の血清ナトリウム値を測定するべきと述べている。