25年以上の経過を持つ最重度の摂食障害もプロテインでこんなに良くなった

6月4日藤川徳美先生のFBより引用

症例;50代前半、女性。
25歳時より摂食障害あり。
拒食と過食を繰り返し、体重は30~64kgと大幅に変動。
月経は26歳時から止まっている。
何度も自然気胸を起こしている。
2年前、膿胸(細菌感染症)となり総合病院に3ヶ月入院。
情動不安定で、衝動性が高く、何度も大量服薬や自傷行為を繰り返している。

H29.10当院を紹介となった。
Alb3.0、BUN4.4、フェリチン1009(体内炎症によるミトコンドリア膜の鉄が血中に漏出)。
感情の起伏が激しく自分でコントロールできないと言う。
39kg。
以前からの眠前薬、ルネスタ3mg、フルニトラゼパム2mg、セロクエル100mgは継続。
→高タンパク/低糖質食+プロテインを指導。
B50、C1000、E400を標準量で開始。

H30.1、内科の薬を大量服薬し、総合病院に1日入院。
ビタミンは毎日飲んでいるが、プロテインは時々しか飲んでいないと言う。
→プロテイン15g(40cc)*2を必ず飲むように。
ナイアシンアミド追加。

H30.5、
プロテイン15g*2をきちんと飲んでいる。
気持ちは非常に落ち着いており、気分変動が目立たなくなった。
過食は全くなくなった。
体重は39kgで変動なし。

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摂食障害は全員重度の「質的な栄養失調」。
つまり、糖質過多+タンパク不足+脂肪酸不足+ビタミン不足+ミネラル不足。

本症例のような最重度の摂食障害患者は、紹介されても衝動行為を繰り返すため、”入院施設のある精神科病院でないと診られない”と言うのが普通だろう。
自然気胸はタンパク不足+C不足(コラーゲン合成障害)が原因。
膿胸もタンパク不足+C不足(インターフェロン合成障害)が原因。
プロテインの規定量をしっかり飲めると、過食はなくなり情動は安定する。

摂食障害にはプロテインが特効薬、これ世界的な大発見だと思う。
「分子栄養学による治療、症例集」にもプロテインで摂食障害が治った症例を5例提示している。(POD2週間以上在庫なしで、幻の本になっているが)
そろそろ体内炎症も改善していると思われるので採血を行い、必要なら鉄、亜鉛も追加予定。