薬はリスク

日本臨床内科医会会誌  令和5年9月号 ポリファーマシーの現状とその対策

CASE 1

あるとき薬剤師さんから「先生、圧迫骨折で整形に入院した患者さん、少し意識が悪いようです。ドクターに採血してもらったところ、カルシウムの数値が非常に高く、便秘で酸化マグネシウムを内服していること、骨粗しょう症の薬も飲んでいることがわかりました。これは〇〇ですよね。処方薬をみると〇〇が入っていたので、この薬を切ってもいいでしょうか」と院内電話がありました。実はこの患者さん、カルシウム・アルカリ症候群でした。便秘で酸化マグネシウムを、また骨粗しょう症でビタミンD製剤、アルファカルシドールなどを内服している際に、転倒して脱水になり、これにきづかず高カルシウム血症を来し、意識障害になった方でした。

コメント:ビタミンD製剤+脱水だけでも高カルシウム血症になる。

以下ウィキペディアより

ミルク・アルカリ症候群とは、牛乳(ミルク)の大量摂取と共にアルカリ(炭酸カルシウムなど)を同時に摂取したことが原因で高カルシウム血症が発生した状態のこと。体が要求する量を超えたカルシウムを摂取し、その廃棄が追いつかなくなった状態。制酸剤(アルカリ)の投薬とミルクの大量摂取を同時にしたことが原因になることもある。この他、制酸剤とカルシウム製剤の同時投与も原因となり得る。ミルク・アルカリ症候群になると高カルシウム血症に伴う様々な症状(倦怠感など)が現れ、さらに病変(内臓組織の病的な石灰化など)が起こる原因になることがある。チャールズ・ホイ・バーネット(Charles Hoyt Burnett)らはミルク・アルカリ症候群の仕組みを世界で最初に説明した[1]。このバーネットの名前にちなんでミルク・アルカリ症候群はバーネッツ症候群(Burnett’s syndrome)とも呼ばれる。

CASE2

薬剤師さんから「患者さんに定期採血したところカリウムの数値が高く、腎機能も悪いようです。実はもともと慢性腎臓病と高血圧があり、降圧薬を飲んでいて食欲もありません。ずっと痛み止めが出ていて、入院中は血圧もむしろ低い状態です。これは〇〇ですよね。処方薬を見ると、〇〇がはいっているのですが、今は痛みがないのでこれを切ってもいいでしょうか?」と相談がありました。これはおそらく鎮痛薬が定時で入っていた症例です。もともと慢性腎臓病と高血圧でRAS系阻害薬を飲んでいる高齢者が、腰痛でNSAIDを服用し、体調不良で来て急性腎障害、そして高カリウム血症が発覚したケースです。この方も、薬を中止し点滴をすると速やかによくなりました。

コメント:ARBで多少の高カリウムになっている高齢者が多いと思う。体調を崩したときに、薬の副作用が一気に表面化する。

「たまたま入院時の採血をドクターが見ていなかったようですが、私が確認したところナトリウム値が117でした。お薬手帳をみると、降圧剤が処方されていましたが、真夏なのでこれは〇〇による薬剤性の低ナトリウム血症ですかね。主治医に連絡して〇〇を中止していただきたほうがいいでしょうか」と薬剤師さんから相談がありました。これは、サイアザイドという利尿薬を内服していた際に発症した低ナトリウム血症です。これは夏におこりやすいため「夏の風物詩」という先生もいます。電解質異常は薬剤に起因することが多いという印象があります。

コメント:「夏の風物詩」などのんきなことを言っていてはだめですね。血圧もできるだけ薬を使わずに、食事栄養で対応したいところだ。