書評 朝食にパンを食べるな

消化器外科医が書いた糖質制限の本。夏井先生の糖質制限の記事から糖質制限を始められたとのこと。

私も含め、同じキッカケで糖質制限を開始した医師も多く、あの時のあのブログ(2011年11月)の影響力の大きさを感じる

10年余りの実験と観察を基に、消化器疾患に対する栄養学の考え方がまとめられており、良書である。

ケトン食、間歇断食などについても肯定的に記述されている。

カリウム接取の重要性にも触れている。

 

ピックアップ

パンのように胃の中で膨張し滞留時間が長く、しかも血糖値を急上昇させる食べ物は、身体のバランスを乱す行為にしかなりません。

②小麦由来のエクソルフィンという、麻薬様物質による中毒

胃もたれの主犯は炭水化物

炭水化物は消化液である膵液を刺激することが少ない栄養素で、消化の要でありかつ最後の砦であるすい臓も、炭水化物の消化には重点を置いていないと考えられます。

その理由としては、700万年ともいわれる人類の歴史の中で、農耕を始める以前の約690万年の間は炭水化物を大量に食べる事がなかったため、人類の体にそこまでの対応ができていないからだと思われます。

脂質はリンパ管より吸収されるため、小腸での吸収には時間がかかるが、胃での滞留時間は短い。

炭水化物が、胃での滞留時間が長いのに、すぐに血糖値を上げる理由。・・・アミラーゼにより分解された糖質の一部が速やかに小腸へ移動するため。

⑦逆流性食道炎の発症メカニズム・・・コレシストキニンの分泌(脂質の分解に関与する。胃に炭水化物が残った状態で分泌される。・・・胃の括約筋がゆるみ、逆流をおこす)

⑧血糖スパイクはグルタチオンの合成を阻害する?

⑨PPIによって、消化不良になり、アレルギー疾患をひきおこす。

➉1日3食に対する疑問

胃腸は、4‐5時間以上、食べ物を入れない時間をつくらないと正常に働いてくれない

⑫加熱された食物は胃もたれの原因となる。加熱調理によるAGEの生成。

カリウムの重要性・・・心血管疾患の予防に! 腎臓でのナトリウムの再吸収を減らす。結果として血圧を下げる。

⑭インスリンが癌を増殖させる最大の因子

⑮ケトン食の勧め!!

⑴炎症を抑える ⑵遊離脂肪酸を抑制 ⑶長寿遺伝子を呼び覚ます

⑯小麦グルテンは小腸絨毛にくっつく!消化吸収を阻害する。

⑰肥満は老化を加速させる!肥満は慢性炎症を引き起こす。・・・原因は糖化と酸化

⑱野菜ジュースと果糖(果物)は要注意食品。