知的、経済的発展
上記より引用
プロテスタントのルター派、旧来のカトリック信者、ユダヤ教徒らもまた近代的な資本主義を発達させてきたのだ。その地域はイギリス、オランダ、アメリカなどである。
これらの地域に共通するのは移民、すなわち人間の移動である。新しい地に新しい人々が入ってきたとき、その地は新しい刺戟を受け、知的にも経済的にも発展するという傾向が見られるのである。
人々の流入が見られない場所では知的な面でも経済的な面でもめざましい発達はなかった。そのもっとも身近な例は日本だ。鎖国が解かれるまで日本は学問においても経済においてもまったくの後進国であったのは歴史年表の事項を比較してみるだけでもわかる。
そしてヨーロッパでは、特にユダヤ教徒の移動がその地の経済を発展させてきた。
ユダヤ教徒は差別のためにいつ土地を追われるかわからなかったために効率のいい商売に励んだし、どこの国でもすぐに役立つような種類の技術を身につけていなければ現実に生きていけなかった。また、国のなかった彼らは常に他国に住んでいたため、その国に昔からある伝統や制度などに縛られずに自由な発想をすることができたのだった。
ユダヤ人は子供のときから当然の義務として聖書を読み、15歳から「タルムード」を読んで自分なりに考える。それは宗教的には神の意思を知ろうとする努力の一環なのだけれど、一方では多くの異なった考え方を学ぶことになっているのである。その結果として、ユダヤ人から多くの有能な人材を輩出している。
コメント:面白い。