食品交換表の問題点
第26回 日本病態栄養学会の感想[2] 食品交換表の問題点
2023.01.23より引用・・・とても勉強になりました!
第5版でP/F/C比率を固定したが,それを全員一律に糖尿病に適用していいのかという問題もある.
低炭水化物食,地中海食のように炭水化物比率の低い食事では短期間で体重が減少し,糖尿病患者ではHbA1cの速やかな低下がみられる. たしかに2年程度でややリバウンドするとか,長期間では継続できず脱落する人もいるという指摘はあるものの,全員がそうではない.継続できない人がいる一方で,継続できる人もいる. 脱落する人がいるという理由で 継続できる人まで禁止する必要があるのか.
一方 『糖尿病診療ガイド 2019』は現時点では国民健康・栄養調査 にて日本人のP/F/C比率の平均値を目安にしているが,平均値がそうだから全員の標準値になるというのは エビデンスとは言えず,根拠としては薄い.
最近の研究データを見ると,高齢者の全死亡率がもっとも低くなるのは BMI=25あたりであって,この面でも大きな齟齬が生じている.
第5版の時代には 糖尿病患者のカロリー消費は健常者よりも少ないと思われていたが,これも最近の厳密な測定では,糖尿病患者と健常者にはまったく差がないことが示された.
以上述べたように,食品交換表の改訂課題は山積している.しかしあまりにも多くの課題を一気に解消しようとしても困難であり,むしろ食品交換表の初版の精神にたちかえって,まず手軽でわかりやすいツールに還元すべきかと思われる.
コメント:すべて間違っていた、ということです。廃止すればよいと思います。