ADHD ホッファー先生のケースレポート・・・統合失調症的な症状

ケース4

T.A.は1960年1月に生まれ、1971年3月初診。2歳の時にてんかんの大発作が一度あった。4歳までに養子にもらわれた。幼い頃からよく話すことができ、小学1年生の時と2年生の頃までは聡明であったが、その後おかしくなった。敵対的な態度、相反する感情がうずまき、ほめられても叱られても反応しなくなった。文字を読むことはできたが、ちゃんと書くことはできず、大変落ち着かない状態であった。乳製品、豚肉、豆、人参、葉物野菜にアレルギーを認めた。小児精神科医で1年におよぶ治療を受けたが何も変化しなかった。

 

 

6歳になった時、肺炎となった。この時期、彼はがいこつを見た。また彼の名前が呼ばれるのを聞き、それに答えていた。

 

初診時、自分の考えが声になって聞こえてくる状態であった(思考化声・・・これは古典的な統合失調症の症状である)。現実感がなく、戦争の白昼夢(殺人の)を見ていた。彼は人々が彼のことを口汚くののしっていると確信していた。思考の途絶に苦しみ、記憶力は減退していた。

私は彼に毎食1グラムのナイアシンアミドとビタミンC、加えて砂糖なし食を開始してもらった。1か月後に改善を認めたが、毎食2グラムへとナイアシンアミドを増量した。5か月後にはかなりの改善を認めた。より協力的に、感じいい様子になり、学校を楽しめるようになった。1973年6月までにはほぼ良くなった。クラスメートとの関係にはいまだに苦労していた。1973年8月24日家庭でいくつか問題があり、ビタミン摂取に難色をしめし、家族と議論になった。アレルギー症状は悪化した。しかし、学校の成績はこれまででベストだった。ナイアシンアミドを1日2回1グラムづつへと減量した。6月にはナイアシン1グラム、アスコルビン酸1グラム、チアミン150㎎、ピリドキシン200㎎を毎食後に。過活動スコアは85から51へ低下した(1971年3月から1973年8月にかけて)。最終評価は、improved。

 

 コメント:統合失調症的な症状が認められている。ナイアシンアミドあるいはナイアシンが治療の中心となっている。
 11歳前後で毎食2グラムづつのナイアシンアミドはかなりの量である。(1日6グラム)