リウマチ性多発筋痛症と血沈

ティアニー先生のベスト・パールより

「血沈が診断的価値に恵まれる医学上の唯一の疾患は、リウマチ性多発筋痛症である。」

 

(リウマチ性多発筋痛症の20%に巨細胞性動脈炎を合併する。)

新しい検査方法が採用され、非特異的なこの検査は、以前ほど活用されなくなってきているようです。

以前、膠原病の専門医は必ず血沈をしていました。血液内科では、貧血、多発性骨髄腫などで使われていました。

以下 赤沈検査の今日的意義  より引用

しかし,特定の疾患においては,赤沈検査がきわめて重要であることに変わりはない。
例えば,リウマチ性多発筋痛症や側頭動脈炎の診断では赤沈検査は欠かせないもので,IgGやIgAなどのM-蛋白質により血沈が高度に亢進する多発性骨髄腫でも同様である。
さらに,赤沈は慢性炎症性疾患の経過を示すパラメータとして価値があり,リウマチ性多発筋痛症や側頭動脈炎ではステロイド療法の管理に適している。
また,エリテマトーデスではCRPは正常値を示す可能性があるが,赤沈は疾患活動性を示す指標として適切である。

最後に,同教授は「赤沈は疾患の予後評価に有用だということも忘れてはならない。例えば,ホジキン病患者でひとまず治療が奏効した後の赤沈亢進は早期再発の警告信号と捉えるべきで,新たに診断された前立腺癌や腎細胞癌における赤沈亢進は,生存期間が短いことを示唆している。さらに虚血性脳卒中などの非悪性疾患においても,急性期の赤沈亢進は予後の悪化を示唆している」と説明した。

CRPが境界値かつ赤沈が中等度亢進の症例において,悪性疾患が発見されることは少なくない」と述べた。

リウマチ性多発筋痛症・・ステロイドからの離脱