マグネシウムと虚血性心疾患のリスク

2017年9月14日 マグネシウムと虚血性心疾患のリスク

佐戸谷 迅人先生に教えていただきました。

国立がん研究センターの報告です。

 

食事からのマグネシウム摂取量と虚血性心疾患発症との関連

-多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果-

今回の「食事からのマグネシウム摂取量と虚血性心疾患発症との関連」研究は、国立研究開発法人国立循環器病研究センター(理事長:小川久雄、所在地:大阪府吹田市)と共同で、平成7年(1990年)と平成10年に45~74歳だった約8万5千人について、食事からのマグネシウム摂取量と虚血性心疾患との関連を調べました。

ミネラルは食事から摂取する必要がある栄養素の一種です。これまで、ミネラルのなかでも、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどを多く摂取することは、循環器疾患を予防することが報告されてきました。しかし、食事からのマグネシウム摂取量と循環器疾患との関連についてアジアからの報告はなく、その関連を明らかにすることを今回の研究の目的としました。

アンケートによる食物摂取頻度調査から、食事によるマグネシウム摂取量を推計し、循環器疾患(脳卒中及び虚血性心疾患)の発症との関連を検討しました。その結果、 男性では、食事からのマグネシウム摂取量が一番少ないグループに比べ、摂取量が一番多いグループで、虚血性心疾患の発症リスクが34%低いという結果が認められました。

今回の研究は、食事からのマグネシウム摂取と虚血性心疾患の発症リスクを調べた、アジアで初めての研究です。マグネシウムの欠乏は、血圧上昇や動脈硬化など、複数の虚血性心疾患リスクと関連するため、これらのことがマグネシウム摂取による循環器疾患の予防効果として考えられます。今後は、介入研究などによる検証が期待されます。