8年ものカロリー制限、運動、薬では改善しなかった糖尿病がたんぱく脂質食で正常化

「安心」2019年7月号より引用  富樫誠司

広島のローカーボカフェ富樫さんの記事です!!

服薬、カロリー制限、運動を続けるのは大変

40歳を迎えた頃、いきなり体調がおかしくなりました。75-76kgあった体重がわずか2ヶ月の間に61kgまで急減してしまったのです。
体がひどく疲れやすく、のどが異状に渇いて、市販のレモンティーを毎日2リットルは飲まずにいられないほどでした。
レモンティーの甘味と酸味がのどの渇きを潤すのにちょうどよく感じていたのですが、これが症状をさらに悪化させていたのだとわかったのは、後からでした。

私の体を心配する妻に促され、病院に行くと、糖尿病と診断されました。
そのときの検査結果では、空腹時血糖値が380mg/dl、過去1-2ヶ月の血糖値を示すヘモグロビンA1cが12%もあったのです。(正常値は空腹時血糖値が110mg/dl未満、ヘモグロビンA1cが6.5%未満)。

糖尿病になったのは、長年の食習慣が影響したのでしょう。私は子どもの頃から甘いものが好物だったうえ、食事のときのご飯は大盛りが基本。パンやパスタも好きで、人一倍食べていたのです。
あまりにも血糖値が高かったため、医師から即入院を勧められました。しかし、私は自営業のため、入院しているわけにはいきません。
ただ、私は透析で苦労していた母の姿を間じかにみていたため、糖尿病性腎症をなんとか回避したいという思いが強くありました。
そこで、3種類の薬の服用とカロリー制限食、運動の3つを実践しつつ、毎月血液検査に通うことにしたのです。
医師の指示通り、1日の食事のカロリーが2000キロカロリーを超えないように留意し、夕食後に30分のウオーキングと30分のジョギングを、極力毎日行っていました。

ひたすらまじめに糖尿病の改善に取り組んだところ、半年でヘモグロビンA1cを6.8%まで下げることができました。
とはいえ、カロリー制限や運動、そして薬の服用を毎日欠かさずに続けるのはとても大変です。ちょっとでも怠ると、血糖値がポンと跳ね上がることがよくありました。

8年間で3つの病院を変わりましたが、基本的にどこも指導は同じようなものでした。いわれたとおりに生活しても、ヘモグロビンA1cはだいたい6.4-7.2%の間を行ったり来たりしていたのです。

こんなに努力をしているのに、十分な改善がみられないことにジレンマを感じていたときに、私は新聞である本の広告を目にします。
それは、糖質制限に関する本で、「血糖値を上げるのは糖質しかない」と強調されていました。それまで、カロリー制限と運動こそ、糖尿病改善のカギだと信じていた私は、ものすごい衝撃を受けたのです。

 

ヘモグロビンA1cが1ヶ月で正常値に

本を読んだその日から、私はお米などの糖質をきっぱりやめました。そして、医師とは相談しないまま、自己責任で薬の服用もいっさい中止したのです。
それからの私の食事は、朝は卵2個と豚肉のソテーなど。昼はバターを入れたコーヒーだけで済ますこともありますが、外食するときにはステーキや焼き魚、刺し身などの定食を頼み、ついてくるご飯は全部残しています。
夜は家で家族と同じメニューの食事を取りますが、私は主食を食べない代わりに、おかずを1.5-2倍くらい食べます。おかずも根菜類は控え目にして、肉や卵、魚、葉物野菜を意識して食べています。
こんな感じに食事を変えて1ヶ月後の検査で、薬を飲んでいないのにヘモグロビンA1cは5.8%に。血糖コントロールができていることに自信を持ち、自らも糖質制限を実践している医師のところに転院しました。

現在は、半年に1度様子を見ながら、食事だけでヘモグロビンA1c5.6%をキープしています。
すでに、たんぱく脂質食を続けて4-5年がたちますが、今では糖質を食べたいという気すらまったく起こりません。
食事を変える前にはしばしば起こっていた足のしびれも、すっかりなくなりました。