高ホモシスチン血症・・・ティアニーのベストパールより

理由のない深部静脈血栓症を示し、独特の眼底所見を呈する若い患者では高ホモシスチン血症が診断である。」

高ホモシスチン血症のホモ接合体患者では過凝固を示します。根拠はよくわかっていません。また、患者は水晶体偏位をきたし、眼底検査ではあたかも望遠鏡を反対からのぞいたように、視神経乳頭と網膜の血管が小さく見えます。

栄養失調(ビタミンB12、葉酸)では、高ホモシステイン血症をきたすといわれ、ビタミンB12・葉酸欠乏症の診断にもちいられています。

 

以下金沢大学病院のホームページより引用

【血栓性素因のスクリーニング検査】ー後天性血栓性素因ー

高ホモシステイン血症の検査

リンク:ホモシステイン

ホモシステイン尿症(ホモシステインを分解する酵素シスタチオニンβ合成酵素の欠損)はまれな先天性代謝異常症の一つであり、高ホモシステイン血症をきたし、心筋梗塞、脳梗塞、深部静脈血栓症/肺塞栓(静脈血栓塞栓症:VTE)などの動・静脈血栓症を起こすことが知られています。

この所見より、高ホモシステイン血症と動脈硬化および血栓症との関連が近年注目されています。

血中ホモシステイン濃度は、先天性疾患の他に、以下の場合に高値を示します。

1)加齢
2)男性
3)閉経
4)喫煙
5)ビタミンB12・B6欠乏
6)葉酸欠乏
7)疾患:腎障害、肝障害、糖尿病、甲状腺機能低下症
8)薬剤 など

動脈硬化、血栓症の発症機序として、過剰なホモシステインにより血管内皮傷害をきたしトロンボモジュリン(TM)、プロテインC(PC)、プロテインS(PS)系の抗凝固活性が低下したり、血小板が活性化されることが考えられています(参考:先天性血栓性素因)。

血栓症の独立した危険因子かどうかは議論が分かれていますが、血中ホモシステイン濃度もスクリーニング検査として重要な項目と考えられています。

[amazonjs asin=”4260017128″ locale=”JP” title=”ティアニー先生のベスト・パール2″]